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爽やかな五月、 終いの日曜はハウスガイドをした。 初めてご一緒のOさん、 「墓参を欠かしたことはありません、 若き日、 毎月給料の半分注ぎ込んで全集をそろえました」 と、 熱烈なファンです。
快晴、 散歩や運動のひと、 釣り人で賑わった。 一段と濃くなった沼の緑、 すっかり夏の装いである。 暦も小満から、 やがて芒種の候へ、 季節の歩みを告げてゆく。 麦生に近づくと、 穂先に褐色が熟れている。 のぎを掲げ、つよい陽射しに抗った。
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水戸、 横浜、 あるいは都心から、 市内から。 特に熱心な方が多いようだ。 みなさん一時間以上は在室された。 沼を廻り 戻ってくる方もある。 椅子にかけ、 話題は尽きない。
開け放した窓から、 タンポポの綿毛が入ってきて、 微笑みがまわりを包んだ。
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なぜ 「ヒアシンスハウス」か、 ヒアシンスの里と勘違いされる。 辺り一面ヒアシンスの花?
立原道造がこだわったのは 「風信子」。 モダンな匂いのする、 漢字の語感ではないか。 ギリシャ神話の美少年ヒアシンサスも、 道造のセンスにフィットしたと思われる。 と、Oさん。
安政年間に渡来、 明治時代には風信子(ハヤシンス)と呼ばれる。
風信子と書くのは、 漢字から受けるイメージが大切だった と想像できる。 ばらが薔薇であるように。 レモンは檸檬でなくてはならない。 決め手はあるのだろうか。
風信子荘… ヒアシンスハウス。 3月29日… 風信子忌。
雑学花言葉さんからも 教わった。
美しい髪の形容にも使われ「hyacinthine locks(ヒアシンスのような巻き毛)」は現在、金髪を意味するが、 もとはヒアシンスの花弁の先のようにカールした髪という意味だったそう。
これも 夢みる詩人にふさわしい。
沼の東に睡蓮が咲いていた。赤も白も。 郭公も気になるが、ことしはまだ。
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突然、 それぞれの地形が何に見えるか、 建築関係の若い方は、 地元茨城は横向きの犬と答え。 長いこと教職にあったOさんは楽しくリードして、 群馬は鶴、 新潟には本州が隠されているでしょう
そこで蛙、 日本列島全体は? そうそう 二人のクローデル展は今日までです。 あそこも作品の解説は、ボランティアが活躍して…
それだけ聞くと 「これから行く」 Oさんは韋駄天走りで向かわれた。
行動力も抜群! 間に合いました? 最終日は早めに閉まることもあるので心配しましたよ。
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さまざまな出会いに感動したり、教わったり。 きょうも忘れられない方がある。 コーディネートもすばらしかった。
藍染めの帽子に上着(フレンチスリーブ)。 こまかい絣のロングスカートは足首まで。 覗いた足袋は紺の棒縞(縞にも、絣にも素敵な名前があるのね) きっぱりと粋です。 下駄(表と側面が紺)の鼻緒に、白と青の襲は「黒木賊クロトクサ」。 草履かも知れぬ。 これだけでも ため息でしたが
さらなる紺地(これは黒っぽく見える褐色カチイロ?)、そこに朱とエメラルドがパッチワークされる、印象的なバッグ。 パラソルは紅型、 藍と白の取り合わせ。
それぞれ 微妙に違う藍のいろ… 想像してみて下さい。
知的で美しい、和の組み合わせでした。 立原道造の卒論も読んだと言われる個性的なその女性。
ちょっと婚約者のアサイさんに似てませんか? ね、 道造さん…
ご了解を得て、 写真を撮らせていただきましたので、 本日、お送りしました。
ヒアシンスについて はじめの頃も調べている。 1 2