別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

越境の美

2007-07-30 | アートな時間

 

  鑑賞のまえに、 地階 センター・ホールで 
 ミ
ュージアム・コンサート 「勅使河原宏映画の音楽など」 を聴いた。   
  演奏 鈴木大介(ギター)
  曲目
  ・勅使河原宏監督の作品と武満徹の音楽
     「燃えつきた地図」~「サマー・ソルジャー」
     「白い朝」
     「ホゼー・トレス2」
     ワルツ「他人の顔」より
   ・武満徹:エキノクス
   ・カタロニアの音楽
     リョベート編:カタロニア民謡集 より
     モンポウ:歌と踊りNo.13「鳥のうた」
     グラナドス:スペイン舞曲集は  12曲中 2曲 
  5番の「アンダルーサ」 は、以前から気に入りだ。 哀愁をおびた甘美な旋律が心に響く。 ギターの調べは 遙かな高みへ吹き抜け、 椅子に座ると深遠な井戸の底で聴くような感じだ。  採光もよい。 午後のひととき、 静かな時間にひたる。
  これから観るものが 楽しみになった。

 

   埼玉県立近代美術館  勅使河原宏展-限りなき越境の軌跡」 
 
 メモ
  企画展は 「シュルレアリスム展」 「澁澤龍彦-幻想美術館」、「勅使河原宏展」へと繋がっている。 映画、 陶芸、 書、 油絵、 活け花。 竹によるインスタレーション(芸術的空間、竹の造形、彫刻にも思える)。 
  草月流三代目家元としても活躍。  今まで誰も試みなかった植物表現である。

  青竹の柱。 割った竹を組んでできる造形、 その空間をくぐりぬけ会場に入る趣向だ。 しなう竹の香と色、 青い表と裏の白、 節目のリズム、 自然が醸すあかりの柔らかさ。 
  前衛彫刻のような花器と 花の競演。

 海外でのインスタレーション、 生け花など写真によるパネル展示、 モニターTVによる映像など。 
 オペラ「トゥーランドット」 1996、グラン・テアトル(ジュネーブ)の舞台装置も竹でつくった。 

  源氏物語「夕顔」 による 能「半蔀ハジトミ」 のもようは映像で。 夕顔の咲いたハジトミを押しあげ、 美しい女人が現れる…。  1986年 宝生流舞台、 立花供養の花が舞台に置かれている。 勅使河原宏の作品で 竹、 蓮の葉と花、 柳、 ケムリノキ。  

    寄りてこそそれかとも見め黄昏れにほのぼの見つる花の夕顔

  

  土門拳記念館の庭園の設計  いけばな作品など (写真はチラシより)
  書 「竹」 は、文字であり絵でもあった。 等身大で、 質感もあった。  
     「変幻」

  

 最先端の芸術、 アングラ。 

 映画 砂の女・豪姫・利休など 8/10より講堂にて上映。
 「パリ 大茶会」 松籟の宴 などビデオによる。

   展示のすべてを語っていた 言葉…

 自分にとって 未知のものに向かって 冒険していきたい  
    私の仕事はいつもその連続だった

                 勅使河原宏


   
アンコールを含めコンサートが終わったのは4時過ぎ、 展覧を駆け足で見た。
 再度観に行かなければ… 
                  

 
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2007-07-27 | 別所沼だより

 
    久々にやってきた ここ 
   夏の陽は容赦なく  煮立ち泡だつような水面
    沼は  あえいでいた 
     油を流すように とろんとして  
               … 夢じゃなかろうか  


   琵琶湖の 残像をぬぐいながら
    なんと小さく  かくも濁って  澱んでいた沼
     ずいぶん痛んでいる   水質浄化も しばらく続く

    故郷をみて  悲しくなった  悲鳴が聞こえたもの
     淵をただようビニールよ 
       投げつけられし空き缶よ


    満々とたたえ 澄んでいる… 
            あれは  幻だったのか  

    

   

 
   禊萩 ミソハギ?  ここにあるなんて 初めて知った
   夏休みだ。  ミンミンゼミやアブラゼミの盛んな声。  網をもつ少年、  赤いTシャツ 青い籠。 
  これまで、 おじさんばかりだったが、 母子で釣るひとや  女性ひとりも多くなった。 
  クチボソ、 タナゴ、 ヌマエビ、 鯉、 亀まで釣れると… 
 なかに たぶん鷭バンだと思う、 くちばしが赤い。 すばしこくて元気がいい。  よく潜った。 カメラを避けて、 とんでもないところから ひょっこり顔を出す。  これこれ、 人をからかったりして。  冬鳥じゃなかったの? 
  
  身軽なアメンボウがすいすい泳ぐ。 というより、 スケーターだ。 鋼鉄ハガネでできた針のような足、 その屈伸に見とれる。  沼に住むたくさんの生き物たち。
  「山椒魚は悲しかった… 」 (井伏鱒二)。  閉じこめられた蛙も思い出すのだ。  

   2005年8月から 浮島による 水質浄化試験 が行われています。 期待します

 
                   -☆-


     海よ
     日はかがやいて波はにほふ
     まぶしい海の たよりをおくれ
     ガラスとエメラルドの砕け散る朝の風を 
     帆前船ホマヘブネを走らせる おまへの風を

     さうして 僕はここ 高原の叢クサムラで
     パンパス草の潮に溺れ とほい魚の匂を
     嗅がう
     貝殻を 砂の香を 人の膚にきらめく虹を

     海よ 小さな泡の呟きよ
     空よりもなほ青く

     空よりもなほ高く
     まぶしい海の たよりをおくれ    
                          立原道造  「海よ」   

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ものがたり

2007-07-14 | アートな時間

 
  プラハ国立美術館展  ルーベンスとブリューゲルの時代  プラハの名華に酔う

              

 17世紀のフランドル絵画  歴史や神話によるもの、 聖家族、 王侯貴族、英雄の肖像、 精緻な花や生物、 日々の営み、農民のスナップ写真的な絵、

 テオドール・ロンバウツ「歯抜き屋(にせ医者)」 など、 ヒント;抜いた歯をネックレスにして… ペンチで抜く医者  のけぞる男 これは痛そう

ルーベンスの壮麗でダイナミックな写実、 優美です。 ブリューゲルの細密描写には物語りがきこえます。 ちょっと覗いてみて下さい。 葉書くらいの絵も、 こまやかな筆遣いでこれ以上ない程の正確さで。  近寄って見詰めました。 
ピーテル・ブリューゲルの 「緑のフランドルの村」 オートミールをかき混ぜる人びと、 握手する男女 
東方三博士の礼拝(部分)」 左隅の小屋におさなごイエスを抱くマリア。 額ずくふたりがいます。
 ヤン・ブリューゲル(帰属) 「磁器の花瓶に生けた花」。 
 フランス・ライクス 「皇后マリア・レオポルディナの肖像」。
 フランス・スネイデルス 「猿のいる静物」 ヒント;豚の頭、ロブスター、東洋の磁器。 本物より本物らしく、 美味しそうです。 

  ところで ブリューゲル一族には画家が16人もいて あるいはもっと居るのかも知れません。 どの絵を描いたのが 何代目のどの方か、 よく分からないで見てきました。


         

 

 ペーテル・パウル・ルーベンス 「カエサルの凱旋」 拡大写真  

  見にくい写真で どれがどれやら クイズです。  想像してみてください。 
  まとまらない日記。 またいつか…  
 詳しくは プラハ国立美術館展  ルーベンスとブリューゲルの時代 へ
  画像はチラシ、絵はがき、HPよりお借りしました。

 

  (来週は blogをお休みします)  香りをどうぞお楽しみください
  鳥獣戯画の意匠の箱に 入っています 

        

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風の贈り物

2007-07-07 | 別所沼だより


    開け放した窓辺に  しめったそよ風が吹いてくる 
     おさなごがつくるシャボン玉を  せっせと運んでいた
 
    絵のような みどりの中を  花のうえを  円い虹が流れていく
     うす陽をうつして  耀きながら  廻りながら  漂いながら
       風が 贈りものを届けにきた    


                 -☆-


 2007.7.7   曇り ときどき晴れ   気温25度  湿度74% 
   ここにいると暑さを忘れる。 一日 木の香と かぜの匂いがした。


 公園の奥は小さな花畑。  薊、 モントブレチア、 マツムシソウ…
   これは 昼咲月見草?  花に群がるのは?  知らないことだらけ… 
 ハウスのスタンプができました。  ヒアシンスの花が 昆虫のタガメにデザインされていて おしゃれ! 

        

  落羽松の実   メキシコ広場 


 メタセコイアによく似て、 ほとんど見分けがつかないが 落羽松 だ。 丸くて堅そうな実がなっている。 メタセコイアに実はならない。
  メキシコ広場 は ポーチュラカの花ざかり。


  きょうも 素敵な方に会った。   来訪17名
  ・ たまたま別所沼会館の集まりで来ました。 そこにあったパンフレットを見て。 
   若き日に読んだ立原道造の詩集、 とてもなつかしく胸躍らせて寄ってみました。  年配のご夫婦。 
 (青春の思い出がよみがえりましたね。 ありがとうございました)

  ・ 四国に住む母が立原のファン、 家にたくさんあった全集を読むうちに 私もファンになりました。    今日は誕生日! 何処に行こうか…  迷わずこちらに決めて来ました。 東京から。
  (お祝い申しあげます。 思い出の記念日になりましたね)

  ・ ハウスに 心地よい風が吹いて…  まるで軽井沢に来たようですね。

   ・  先月お会いした やまもと・たく先生  ご紹介ありがとうございます。  ランニング2周年!!     
    おめでとうございます。 きょうも10㎞走破。 時間の使い方がとても見事で。
  無計画な蛙は 反省しております。

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わすれ草

2007-07-06 | 自然や花など

  桜並木の下、 斜面に花がいっぱいです。  どこまでも続いている。  思わず車を止めて。  
  花の時季に通ったことがなく、 今まで知りませんでした。 

  多分、 ずっとむかしから、 毎年忘れず、 黙って咲いていた藪萱草ヤブカンゾウです。  花は一日でしぼむので   day lily の名もある

 

     雨に濡れ、 鮮やかさも増している。  きれいね!

   萱草ワスレグサわが紐に付く香具山の古フりにし里を忘れむがため  大伴旅人   

  この花を身につければ憂いを忘れられると信じて…  異郷にあって、 哀しい努力をしたのですね。 

   花萱草青野の青をさそひだす       甲子雄  

    朱いろも みどりも 冴えざえとして 

           -☆-

  きょう 見たからって、 忘れ草のことは もう忘れません。 来年も真っ先に見に来ましょう

  と思ったら  側にこの立て札。 ナルコユリがあったのかも知れないけれど、 地味で小さいから見落としたか。 
              

  まちがいなく  ヤブカンゾウですよね。    右は おまけの琉球朝顔

            

     7月6日は フリーダ・カーロが生まれた日 たいせつな日を忘れていました。
 うしろの正面さん のおかげでわかりました。 ご本人の写真もありがとうございます。  

 

  

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