別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

春の空

2013-02-28 | 自然や花など

 午後の陽がやさしい
 春の空を仰ぎながら 近くをゆったりと歩く
   

   あたゝかや皮ぬぎ捨てし猫柳    杉田久女

  猫さんたち のどかだなあ

 

   逆光をあびる満作に惹かれる

 

 目白でにぎわう紅梅 

   今日はしも匂ふがごとき春の空  福田蓼汀(フクダリョウテイ)

 まことに 目に沁みる青空… 

  遅れていた白梅が満開になった
  

  うらうらと 香り立つ


  大宮梅まつりの茶筅梅はそろそろ咲くだろうか  
   みやびな風情を楽しみにしている  
   今年はどれも開花が遅れ 
      先日 陶器市だけでガマンした  

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花のたくらみ

2013-02-24 | 自然や花など

  公園で まんさくが咲いていた

    細いリボンのような花びらだ
     金縷梅とも書いてマンサクと読む 
        縷… ル(①麻糸、絹糸など糸の総称。 いと。 ②糸状のもの)

   それで 以下に 縷々として語る

   縷々… ①糸のように長く続くさま ②こまごまと詳しいさま  ③細長いさま

   まったく まんさくの仕掛けには いつも驚いてしまう

   ぱっと咲くその瞬間を 一度でいいから見たいものだ

 

  春なのに  きょうも冬日のような晴れ
  

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うれしいな!

2013-02-22 | 自然や花など

 風は冷たいけれど歩いていたら、 男性が数名集まって眼を輝かせている。 遠目にも、 いでたちからピンときました。 場所はお約束で、 明かせないけれど…  同好の士に思わず声をかける。 今朝はまだ現れないそうで、 アルバムを見せてくださった。 それを撮らせて頂いて

  ご了解を得て お目にかけます。

撮影  Mr.Numajiri

 

 

 別の方からも 写真をたくさん頂き 有頂天の蛙です。

  次からは  Mr.Iiduka 

 何時間も粘って カメラマンも カワセミ君もすごい!

   うれしいな!

  みなさま すばらしい作品を ありがとうございました。
  名刺にも 翡翠が羽ばたいていて…  ジャンパーも翡翠色 これでなくちゃ!!

 拙い写真で  沼のかわせみ もご紹介いたします。
        

 

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夢をめぐる旅

2013-02-19 | アートな時間

 

 「夜明け」1944 (絵葉書 部分)

   ポール・デルヴォー展で、 幻想世界を味わった。 

 

 

            
 埼玉県立近代美術館所蔵 「森」  1948年
 ふしぎな絵。  鬱蒼とする森、 月明かりにうかぶ女、 緑に覆われる寝台、 天蓋の深紅が印象的。  遠ざかる列車の灯、 ほの白いレールのひかり、テールライトの小さな赤。 青い花や… 

  私は現実を ある種の夢として描き表そうとしてきました。 
 事物が本物らしい様相を保ちながらも 詩的な意味を帯びている、
 そんな夢として。   ポール・デルヴォー (1897-1994)

現実を忘れ 作品のなかに入ってゆく。  しばらくここに隠れていよう。
展示の仕切りが心地よくなる。 観る者を隠し、 気兼ねなく美しさに陶酔できる。

 


 第1章 写実主義と印象主義の影響 

   「グラン・マラドの水門(南側の眺望)」 1921 (28歳)(絵葉書 部分)

はじめは 印象派風の風景画など。 
 「森の小径」 1921年 (木洩れ日を描きたくなった)
 
第2章 表現主義の影響
 「バラ色のブラウスの若い女性」 1932年 

 

1930年代 シュルレアリスムに触れ独自の作風になった。

第3章 シュルレアリスムの影響
第4章 ポール・デルヴォーの世界
   ・ 汽車、トラム、駅   ・ 建築的要素  ・ 生命の象徴としての骸骨
   ・ 欲望の象徴としての女性  ・ 男性の居場所
   ・ ルーツとしての過去のオブジェ  ・ フレスコ
第5章 旅の終わり

 

 「トンネル」 1978

  「バルコニー」 1948            「会話」 1944年  

 「夜の使者」 1980年

 ランプ、鏡、骸骨、汽車やトラム 建築物 神殿や都市 

エピソード
・夢見がちな子ども 7歳のときに見た骸骨の恐ろしさ 
・10歳 ジュール・ベルヌの「地底旅行」
・13歳 ギリシア神話 ホメーロスの「オデュッセイア」「イーリアス」 
・15歳 路面電車の模型造り 汽車の旅 
・32歳 両親の反対で 最愛の女性タムと別れる 
・35歳 博物館の蝋人形「眠れるヴィーナス」
・50歳 タムに再会し結婚 「森」を描く

 

 墨で トレーシング-ペーパーに描いた  グリーティング・カード 1958(絵葉書 部分)
  61歳  繊細なタッチで ここにも列車が登場している 

 愛蔵し、たびたびモティーフにした鉄道模型など展示されている。 オイルランプ、鉄道の碍子(ガイシ)…電柱や鉄塔に取り付ける絶縁体の器具)。 姿見、手鏡など。

 もう一度 詩的なものがたりを見にいこう…   

ポール・デルヴォー展  夢をめぐる旅  
  埼玉県立近代美術館で 3月24日まで 

  (画像は 絵葉書と パンフレットよりお借りしました。

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風が…

2013-02-16 | 別所沼だより

    やさしい鳥 やさしい花 やさしい歌
    私らは 林のなかの 一軒家の
    にほひのよい春を 夢みてゐた
    鄙びた 古い 小唄のやうに

    青い魚
    光る果実
    ながれる雲 星のにほい
    ちひさい炎

    風が 語つて 忘れさせてゆく
    淡いいろのついた春を 夢みてゐた
    ひとつの 古い 物語のやうに……

    夜空の星と 置洋燈の またたきが
    祝つてくれた ひとつの ねがひ
    優しい鳥 優しい花 優しい歌

               メヌエツト    立原道造

 


 青空を溶かしたような水のいろ   蒼く澄んでいる。

  何て寒いこと!  冷凍庫の中にいるようです。

  氷点下の朝、 烈風が追い撃ちをかけ、 ここまで来ると指先は凍って痛いくらい。

  さすが釣り人は2.3人と少ない。  ランナーは、 いつもどおり、 何があってもいそしんでいる。  こんな日にも美しい沼をとり戻そうと、 落ち葉を掬う人たちの姿があった。

  作業の大変さを思い、 祈るようなきもちになる。

 ひかりの春! こころ弾ませる みどりの旗…  ポールは軋みをあげている。
 狂喜乱舞する旗が飛ばされないか心配で 入念に結んでおく。

 

 窓辺は温かい、 日射しを追って移動すれば、 終日あたたかい。

  午前中は来訪者なく  ツグミが寄ってくる。 白い眉を整えて。


昼頃から

・若い男女、 このごろ 沼がきれいですね。 ヒアシンスハウスで温もりました。
 同人誌って?  (お近くですね。 なんどでも お出でください。)

・少女は2度目  (立原の詩を読んで 美しい日本語をひろってくださいね)

・思い覚まして、栃木より(女性) 浦和駅から歩いて30分もかかった。 帰りは中浦和経由でこちらなら5分。  建築が好き、 閉館間際の記念館にも行きようやくここに。 大森に住んでいたころ、白木屋があり、モダンな建物に注目していた。 後になって立原道造が設計に加わっていたと知り感無量。 ヒアシンスハウスのまわりは想像とはイメージが違っていた。 当時とはずいぶん変わっているでしょう。  でも お家は素敵でした。 こういう家にいつか住みたい。

 (荒天の日に わざわざいらしてくださり ありがとうございます。
 風が運んだすてきな便りのような おひとりおひとりに出会いました。 そんな気がする一日でした。)

来訪者 お子さんを含めて6名

 

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆらゆらと

2013-02-08 | 自然や花など

   ああ、春は遠くからけぶつて来る、
   ぽつくりふくらんだ柳の芽のしたに、
   やさしいくちびるをさしよせ、
   をとめのくちづけを吸ひこみたさに、
   春は遠くから ごむ輪のくるまにのつて来る。  
          
    
 萩原朔太郎 「月に吠える」 「陽春」より

  


 

  麗らかな日がつづくと思えば 今日はまた北西の風

   春は行きつ戻りつ 遠慮がち

    壁にかけた写真の  

     とりどりのチューリップが部屋を明るくする

     風に揺らぐひかりを集めて 小さな花が咲いた

  わすれな草の思い出にのせて ゆらゆらと訪れる春

    

    

  

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春立つ日

2013-02-04 | 自然や花など

 立春の朝…  
 「お取り寄せしたので」  
    ペダルを踏んで 息をはずませながら現れた

  前かごの紙袋をいただくまえから あたりにむせるような香りがした

   福岡のいちご  アマテラス
    大粒で 格別甘い ほのかな酸味 ジュースもたっぷり  

   春きたる  ありがたき友の贈りもの  

      … 東風凍を解く 

   東風吹くや耳あらはるゝうなゐ髪   久女 

   やわらかな春の風が  欅の幹を なでている

 

 

  田道間守が持ち帰った秘薬 
   この小さな木の実は トキジクノカグノコノミ?

   豆金柑というらしいが オキザリスと比べても かなり小さい

 

 

 

 

 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春を探しに

2013-02-01 | 自然や花など

  黎明幼稚園の中庭に 午後の陽が明るい
  通りから見ると 園児はもう居ないけれど 可愛らしい歓声が聞こえてきそう
  わたしも ここの卒園生…   何十年前よ

  あのころ お弁当をストーブの上にのせて温めていたことなど 今も覚えている
  あるとき誰かさんが間違えて 私のおべんとうを食べてしまった  
   じぶんの弁当箱が見つからないのに そのことをなかなか先生に言い出せなかった

   とにかく 内気なこどもでした 

  先生は気づいて パンをくださったけれど 
   はじめから お弁当を持ってこない子も居たと思う

   そんな時代でした

 

 春を待ちながら とりとめのないことばかり・・ 

   

 きのうの紅梅    まだ 二分咲き

 毎朝氷点下で 北側の陰には 先月14日の雪がまだ残っている

 

 ジョウビタキの♂  杭のうえがすき
  喉が黒く 頭上は白い  橙色が目立って それと解った
 横を向くと翼に 小さな白斑がある

 

 

 

 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする