第7回 ヒアシンスハウス夢まつり in 別所沼
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(ガラス窓の向こうで)
ガラス窓の向こうで 朝が小鳥とダンスしています お天気のよい青い空
美術家:堀部宏二・今井伸治
演 奏:泉 邦弘(アルトサックス)
インスタレーションの公開制作と展示+即興演奏
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ダンスユニット 「転々」による舞踏 秋の夜の会話 -かえる-
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おいもごろごろ パンツが可愛い
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野茨に鳩
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謝
ほか 「羽抜け鳥」「箱の中のあめ玉」 「三匹の猿の話」など
ヒアシンスハウスをバックにインスタレーションや草原の音楽、ダンスのたのしいコラボ。
家族連れも多く 小さな子もたのしんでいた。
昨年のインスタレーションはこちら
午後の部
(1)講 演 <立原道造についての私見~その構築性> 浅野 言朗
建築家で詩人(第14回「中原中也賞」最終選考ノミネート)として活躍される浅野氏の考察もおもしろかった。 自作「2の6乗=64/窓の分割」(ミッドナイト・プレス)、「手術の台座=隠された仕種」など交え興味深い内容。 写真集も拝見し、 樹間の建築がドキドキするほど美しい。
さて 立原道造の詩について
・「萱草に寄す」 「暁と夕の詩」 「優しき歌Ⅰ」「優しき歌Ⅱ」
形式性のつよいソネットを 原則10編ずつまとめている
・詩句を、 幾何学的な座標の上に配列して行くような詩集
詩集の表紙をみても デザインは視覚的に意識され… など。
・ひとつひとつの言葉の配置が 幾何学的
・立原の詩作の方法は
「建築の設計法に似て 流れるような抒情を歌うというのでなく 全体の枠のなかに バランスをとって語句を嵌めこむ というやり方だった」(中村真一郎)
・ソネットの比較
・「海潮音」上田 敏訳 ・「月下の一群」堀口大學訳 ・「62のソネット」谷川俊太郎
私は… と歌う谷川の詩は、 立原と似かようのもあるが、 常に 私から見るせかいが表現されていて立原の詩とは対称的である。
自身の詩集もスライドに映して
左右のページは 鏡のように映し合う 左右対称である
1つのページは2つのページになり、 さらに 2が4になり4が8になり… 少しずつ変化しながらどこまでも くり返され 増えて行く
一冊の詩集が 世界=街 生起する事象を観測する窓となるように考えた
あらためてみると立原の詩は設計図のよう。 繋がらないような詩句の疑問も解けてくる。 たのしみな話題がつづいた。 語句の転倒 倒置法などで詩の印象は高まると思う
昨年の 高橋博夫 「意中の詩篇」にも重ねて理解した。
講師の作品をみると 詩篇は 活字がブロックのように列び積みあげられて。 整然と見た目も美しい。 音楽が聞こえそう。 窓のような黒白のブロックを意識して作った と。
ほんの少しだけ記して、 立原のゼリーと種田氏の白いスポンジのことなど話題は尽きない。 家で 昨年のシンポジウムを読みかえすと 理解も深まる。
(2)講 演 <立原道造の田園的建築観~
透視図に表現されたその建築観> 種田 元晴
・透視図 「無題 浅間山麓の小学校」を例に 立原の田園的建築観。 スケッチに近いが、 線や着彩の完成度が高い 自然の中に建築を考える立原。 田園的風景に溶けあう佇まいは抒情詩である ・丹下健三の都市的建築観。 建物を大きく据える。
山がそびえ緑に囲まれ、まるで絵画作品のような立原道造の透視図。 一枚の淡彩画か芸術作品と呼びたいほどだ。 光りあふれ、風がそよぎ、 囀りが誘う。 彼の建物完成図は臨場感たっぷりの透視図で、 そこに住まう、あるいはこれから通うであろう建物を豊かな自然環境のもとに置き、 こまやかに想像できる作品だ。
(3)鼎 談 浅野言朗+種田元晴+佐野哲史(ヒアシンスハウスの会)
司会 津村泰範
若い実力者ばかり4人 もっとお話を伺えればよかった。
☆ 展示
・立原のご友人 小山正孝氏の詩集 「山居乱信」など。 ご子息により、 立原のパステル画 「あそこへ行く道」(1929年)、「壺のある静物」。 石膏デッサン、 建築図面 「図書館設計図 6」(昭和11年7月)など所蔵品の一部を拝見できた。 初めて見るものが多くうれしいサプライズ。 お母様が 夫、小山正孝さんとのことを書いた 「小山常子著 「主人は留守、 しかし…」」も紹介される。 題名からして 読まずには居られない。
実話がもとになったという 「夜逃げ町長」(杉浦明平著) 面白そう…
建築科学生による ヒアシンスハウスのスケッチなど
-トランペット+ヴァイオリン演奏-
柳田 明(トランペット) 柳田律子(ヴァイオリン)
優しいヴァイオリンの響き 哀愁と闊達さが混じりあうトランペットの共演。
・帰れソレントへ ・哀しい酒 ・星に願いを ・赤とんぼ ・見あげてごらん夜の星を ・ タイスの瞑想曲 ・夜空のトランペット
懇親会、 参加者は美術評論家や須田剋太研究の方など 刺激が多い
6時過 散会
日が暮れて、 しじまにぽつんと立つヒアシンスハウスを上弦の月が見つめる。 耳にとどく蟋蟀のセレナーデ… 豊かな夢のつづきをむさぼっている。
詩人と過ごした幸せな一日。 来年も今から楽しみになる。 元気でいよう。
(メモにて、 間違いなどありましたらお詫びいたします)