別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

冬の趣

2011-11-29 | 自然や花など

   晩秋の菊   
  どこからか 枯菊を焚く匂いがする
  

 暦では 立冬より春までを 初冬 仲冬 晩冬に分けている
 一週間もすれば 仲冬(大雪から小寒の前日まで)
  冬もなかば   なんだかあわただしい

  蛙の暦では 今頃を晩秋といったり  初冬の風情とかんがえたり
ややこしい

  しぶきを受けるボクは  初冬の風情で 上品ねえ…
   

  おなじ日でも 紅葉に染まれば晩秋の趣でしょう


    たゞ 忍べ燃ゆる紅葉の夕冷えは    草田男 

  めっきり冬らしくなった  
  美しい紅葉を見るために 少しガマンしよう  

 

 

 

 

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おとなしい雲

2011-11-26 | 別所沼だより

  頬に冷たい空気  朝の気温5℃。 
  メタセコイアが黙って燃える、 あかあかと心に灯す火のように。
 楽しみなガイド、 陽ざしは温かくのどか。 終日、 散策の人でにぎわった。
       

  虹を見てゐる娘たちよ
  もう洗濯はすみました……
  
真白い雲はおとなしく
  船よりもゆつくりと
  村の水たまりにさよならをする 
       
 立原道造

 

  白い雲はゆっくりと 水面にかたちを写してゆく
  好きな色の絵の具だけ溶かして 沼の絶唱がつづいている 
  刻をとめて… 


 

 たいせつに 心にしまっておきたい 絵のような風景だ。
  針葉樹の爽やかな匂いもする。 

  ヒアシンスハウスの窓から、 鷺やカワセミのすがたも見える。 
 風もなく 旗はうつらうつらして

  浦和に行つて沼のほとりに、ちひさい部屋をつくる夢、 長崎に行つて 古びて荒れた異人館にくらす夢、 みんな二十五六歳を晩年に考へてゐる 
  立原道造 小場晴夫宛書簡1937.12.17 

 二十五六歳を晩年に…  哀しく こころに響いた。


来訪者25名  閉室後 詩の朗読会。
 散歩ついでに 初めてという方が多い。 
 立原の詩のことは知っていても 建築家でもあったと聞いて驚くひと。
 すてきな空間、 こんな部屋が欲しい。 
 詩よりも詩的な手紙のはなしをして、 本を薦め 話題は限りなく広がる。

 日誌には
 11月20日 26名、 11月23日 50名とある。 
  紅葉に誘われ 夭折の詩人を偲んで。   

  

 

 

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晩秋の別所沼

2011-11-26 | 別所沼だより

  きのうの別所沼です  絵を描くひとがおおぜい居ました

  後ろで拝見しながら うらやましく思いました

 わたしも描きたい…

  沼の真ん中あたりの浮島に  翡翠がいました
  遠くて このカメラでははっきり写りませんが 嘴が赤くて これはメスらしい
  はじめて見ました 

  

   画面中央でダブルクリックすると 大きな画像が見られます。 

 

 

 

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ジングルベル

2011-11-21 | 自然や花など

 ポインセチア(トウダイグサ科)が 出番を待って誇らしげ  
   種類はさまざま

  アイスパンチ 
 

  ジングルベル

  アバンギャルド  
  
       他 ウインターローズ アーリーレッド など



  アレ?

 ラグちゃん……     

  ずっとここに いたの   (与野の園芸店で)

 

 

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ウラギンシジミ

2011-11-20 | 夢見鳥

 白い蝶を追ったつもりが
 金木犀に留まるをみれば 早変わりして
  まったく違う 衣装になった

   フム フム…   ウラギンシジミだろうか

   裏に返せば 銀色で  こちらに詳しい 

  暑いくらいの日をうけてからだを温めていた  
  翅は傷んでいる

  撮影  11月20日 (さいたま新都心)    

 

 

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野道をゆけば

2011-11-13 | 自然や花など

  木の葉を透かせて 青空がのぞいた

   みごとなパターンに うっとり

  暑いくらいの陽気がつづく  
  芝川のしずかな面に木立の陰もうららかだ

 

 眼を凝らすと 葉陰から小声でよびとめるのは  

 

 お皿に盛られて おいしそうな色と艶の  

  茎が葉を貫くようすから はじめ トウダイグサの仲間かと思ったが
  イシミカワ 広辞苑には「石見川 ハブテコブラ」と出ているがハブにコブラとは
   怖ろしげ  タデ科 茎や葉裏に棘がある

  初めて会ったイシミカワ 変わった名前
    老舗の あんこ玉みたいね  葛引きお菓子の 
   最大でも直径5ミリ 葉のかたちは細いハート  長さ2㎝くらい
  花はどんなだろう   

      こちらに 詳しいサイトがありました

 

 

 

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野辺を匂わす

2011-11-05 | 自然や花など

 

 遊歩道の藤袴 キク科

 なに人か来てぬぎかけし藤ばかま くる秋ごとにのべをにほはす 
                 としゆきの朝臣

 どんな人か来て 脱いで掛けていった上着…  藤袴にふわりとかけていったから 毎年 野辺を匂わせているのね。  薫香をたしなむような 身分の高い男性でしょう
   ふいに訪れる ほのかな香りは

やどりせし人のかたみかふぢばかま わすられがたき香ににほひつつ    貫之
ぬししらぬ香こそにほへれ秋の野に たがぬぎかけしふぢばかまぞも    素性

 香りは葉を干すと生じ 桜餅の香り。  平安時代 茎や葉を乾燥させたものを水につけて髪を洗ったようだ。 (花おりおり)


  

     
  花を揉んで嗅いでみると かすかに桜の葉の塩漬けの匂いがした。
  クマリンという香りの成分。
  
  藤袴… 香草 ・ 香水蘭とも。 古くは 「あららぎ」という
   古歌に 蘭(らに)というのは藤袴である (山本健吉)

   防虫剤や芳香剤、お茶などにも 利用された と 

         -☆-

 再び瑛九展へ   感想を10/30のところに追記しました 

          

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夢のつづき

2011-11-03 | 別所沼だより

 第7回  ヒアシンスハウス夢まつり in 別所沼

 

 (ガラス窓の向こうで)  
ガラス窓の向こうで 朝が小鳥とダンスしています お天気のよい青い空
       美術家:堀部宏二・今井伸治   
       演  奏:泉 邦弘(アルトサックス) 

 インスタレーションの公開制作と展示+即興演奏 

 ダンスユニット 「転々」による舞踏   秋の夜の会話 -かえる-

 おいもごろごろ   パンツが可愛い

  野茨に鳩

  謝

  ほか 「羽抜け鳥」「箱の中のあめ玉」 「三匹の猿の話」など
 ヒアシンスハウスをバックにインスタレーションや草原の音楽、ダンスのたのしいコラボ。
 家族連れも多く 小さな子もたのしんでいた。 
昨年のインスタレーションはこちら 

 午後の部
(1)講 演 <立原道造についての私見~その構築性> 浅野 言朗
 建築家で詩人(第14回「中原中也賞」最終選考ノミネート)として活躍される浅野氏の考察もおもしろかった。 自作「2の6乗=64/窓の分割」(ミッドナイト・プレス)、「手術の台座=隠された仕種」など交え興味深い内容。 写真集も拝見し、 樹間の建築がドキドキするほど美しい。

 さて  立原道造の詩について

・「萱草に寄す」 「暁と夕の詩」 「優しき歌Ⅰ」「優しき歌Ⅱ」 
 形式性のつよいソネットを 原則10編ずつまとめている
・詩句を、 幾何学的な座標の上に配列して行くような詩集 
 詩集の表紙をみても デザインは視覚的に意識され…  など。 
・ひとつひとつの言葉の配置が 幾何学的   

・立原の詩作の方法は
 「建築の設計法に似て 流れるような抒情を歌うというのでなく 全体の枠のなかに バランスをとって語句を嵌めこむ というやり方だった」(中村真一郎)

・ソネットの比較
 ・「海潮音」上田 敏訳 ・「月下の一群」堀口大學訳 ・「62のソネット」谷川俊太郎
  私は… と歌う谷川の詩は、 立原と似かようのもあるが、 常に 私から見るせかいが表現されていて立原の詩とは対称的である。

 自身の詩集もスライドに映して 

 左右のページは 鏡のように映し合う  左右対称である
 
1つのページは2つのページになり、 さらに 2が4になり4が8になり… 少しずつ変化しながらどこまでも  くり返され 増えて行く 
  一冊の詩集が 世界=街 生起する事象を観測する窓となるように考えた

 あらためてみると立原の詩は設計図のよう。 繋がらないような詩句の疑問も解けてくる。 たのしみな話題がつづいた。 語句の転倒 倒置法などで詩の印象は高まると思う
 昨年の 高橋博夫 「意中の詩篇」にも重ねて理解した。

 講師の作品をみると 詩篇は 活字がブロックのように列び積みあげられて。 整然と見た目も美しい。 音楽が聞こえそう。 窓のような黒白のブロックを意識して作った と。 

  ほんの少しだけ記して、 立原のゼリーと種田氏の白いスポンジのことなど話題は尽きない。 家で 昨年のシンポジウムを読みかえすと 理解も深まる。

(2)講 演 <立原道造の田園的建築観~
    透視図に表現されたその建築観> 種田 元晴

 ・透視図 「無題 浅間山麓の小学校」を例に 立原の田園的建築観。 スケッチに近いが、 線や着彩の完成度が高い 自然の中に建築を考える立原。 田園的風景に溶けあう佇まいは抒情詩である  ・丹下健三の都市的建築観。 建物を大きく据える。  

山がそびえ緑に囲まれ、まるで絵画作品のような立原道造の透視図。 一枚の淡彩画か芸術作品と呼びたいほどだ。 光りあふれ、風がそよぎ、 囀りが誘う。 彼の建物完成図は臨場感たっぷりの透視図で、 そこに住まう、あるいはこれから通うであろう建物を豊かな自然環境のもとに置き、 こまやかに想像できる作品だ。 

(3)鼎 談 浅野言朗+種田元晴+佐野哲史(ヒアシンスハウスの会)
 司会 津村泰範
   若い実力者ばかり4人 もっとお話を伺えればよかった。

立原道造「図書館設計図」(部分) ☆ 展示
 ・立原のご友人 小山正孝氏の詩集 「山居乱信」など。 ご子息により、 立原のパステル画 「あそこへ行く道」(1929年)、「壺のある静物」。 石膏デッサン、 建築図面 「図書館設計図 6」(昭和11年7月)など所蔵品の一部を拝見できた。 初めて見るものが多くうれしいサプライズ。 お母様が 夫、小山正孝さんとのことを書いた 「小山常子著 「主人は留守、 しかし…」」も紹介される。  題名からして 読まずには居られない。
  実話がもとになったという 「夜逃げ町長」(杉浦明平著)  面白そう…  
 建築科学生による ヒアシンスハウスのスケッチなど

-トランペット+ヴァイオリン演奏-
  柳田 明(トランペット) 柳田律子(ヴァイオリン)

 優しいヴァイオリンの響き 哀愁と闊達さが混じりあうトランペットの共演。
 ・帰れソレントへ  ・哀しい酒 ・星に願いを ・赤とんぼ ・見あげてごらん夜の星を ・ タイスの瞑想曲 ・夜空のトランペット

 懇親会、 参加者は美術評論家や須田剋太研究の方など  刺激が多い

 6時過 散会
 日が暮れて、 しじまにぽつんと立つヒアシンスハウスを上弦の月が見つめる。 耳にとどく蟋蟀のセレナーデ…  豊かな夢のつづきをむさぼっている。
 詩人と過ごした幸せな一日。  来年も今から楽しみになる。 元気でいよう。

   (メモにて、 間違いなどありましたらお詫びいたします)

 

 

 

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ホウジャク

2011-11-02 | 夢見鳥

  目の前を オレンジ色が横切ったので追いかけた
  白帯も目立っている 
   蝶かとおもうが ホバリングの名手 スズメガ君

   羽ばたきは高速で  うまく写らない

 メキシカンブッシュセージに寄る ホシホウジャク(蜂雀)  スズメガの仲間
 からだに比べて 翅が小さい 

 かろうじて口吻 長いストローが見える

 オオスカシバ よりも小柄で 愛らしい

 ホバリングのうまい子なら他にもいる 
   さらにちぃさな チュウレンバチ

 

 

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