別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

散歩で

2009-08-26 | 自然や花など

  畦の朝顔は  天まで届きそうだった。

 

 

  散歩の楽しみは 珍しい植物にであうこと。    
   藪のなかで 粉を吹くように煙ったブルーは 
   竹煮草の実   風にゆれる「ささやき」 を 一度聴いてみたい。 
  広くないバス通りで金網越しに撮す。 
   車を避けて へばりつく姿は不審者そのものだ。
  

                  -☆-

      万緑叢中紅一点        咏石榴詩   王安石

     緑の中に 紅が一つ 溜息がでた。 胸のすくような赤だった。


                  -☆-
 

     勢いよくしげる葉に 埋もれる葛の花。

  萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝貌の花  山上憶良

    秋の七草…  全部さがしたい  

  

 

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花の記憶

2009-08-25 | 自然や花など

  花をみると思い出す   暑い盛りの庭の一角
    
    そこだけ涼しげな蝶たちの 爽やかな集い     R.H
  
  清爽な花の記憶… 
    イメージの一端に 触れることはできるでしょうか 

   すてきなコメントから 風蝶草の物語りも浮かんできます

      

          15:51 

  まだ蕾を閉じたまま  蕊はゆるゆるとはみ出てきている
  西日の外で 咲く刻を待っている  

  

   16:23

  遠目にも 蕊の一本が蕾からはずれるのが見える  
   ピン! と跳ねあがる

 

       17:09

   巻いてある淡いピンクの花びらが  かすかにほころび始める 
   思い出を ゆっくり たどるように…

 

      17:36

  今日咲くのはたぶん四つ   白いのは昨日までの花


      18:02

      たそがれに浮かびあがる幽玄の蝶

 

       夜 カーテンの隙間からのぞいたら
       外灯に守られ  蝶たちの静かな集いはつづいてた
       明朝会うときは 白い衣裳で変身している

 

 

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凌霄院

2009-08-24 | 自然や花など

     

 

     凌霄は妻恋う真昼のシャンデリア   草田男

  よじ昇り 這い上がり 垂れさがる のうぜんの花、 奔放さと朱色が好きだ。
   明るいシャンデリアを、 漢字で書くとむずかしい。

  凌霄花… 凌は のぼる、 しのぐ。  霄は 天空、そら

  その花をこよなく愛した佐藤春夫の戒名は 
    凌霄院殿詞誉紀精春日大居士 

   偶然みつけておどろいたり うらやんだり。
    「立原正秋も 凌霄院さん…」 と  教えてくださった うしろの正面さん
    お元気ですか  
   

    

     みごとな朱の群れ、  ときどきここで立ち止まる。 
    朝晩はだいぶ凌ぎやすく、 これまでより色鮮やかに感じます。

                     

 

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見あげれば

2009-08-24 | 自然や花など

        

            小さなライトを点滅させて、 飛行船がゆく
           大海原の魚のように    8/21


                   

                   ナミアゲハのかくれんぼ   8/22

        

          やっぱり秋   鱗のような雲だった 8/23


              

            みんな薔薇色   8/23

  

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ジンジャーの花

2009-08-22 | 自然や花など

 

 とにかく背が高い。 遠くから目についた。 大きいもので その丈 約2m。 ひとがすっぽり隠れている。
  
 中くらいのユリみたいな花がたくさん固まってパイナップルのようだ。 畑の人に伺うと 一言 
    「ジンジャー!」 
 ピリッとした答えだった。

 調べると ジンジャーリリーが つまってジンジャーとなった。    

観賞用の生姜を 初めて見た。

別名 花縮砂 ハナシュクシャ 
8月25日の誕生花 
 暑い日に ピッタリだ

 

              

 

 生姜を ほとんど毎日使う。 
漬け物、 薬味、 生姜湯、 カレー。
 
 生姜が 細くて 若いうちは、そのまま味噌をつけて囓る。 はじかみ は 蝦蟇の好物で、 囓るの漢字は、 ガツガツ噛むような雰囲気があっておもしろい。 

  冬は 牡蠣と生姜の厚切りを炒めるのがいい。 オイスターソースもふりかける。 
 
  まったく 花を見ても食べることばかり浮かぶのだからショウガない。

  花は盛りを過ぎていた。 これから咲く白花は、 薫りがとても好いそうだ。 
  目が覚めるような味も 勢いのある爽やかな緑も、 南国の代表だと思う。     
                 (近くの遊歩道から)

 

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風と共に

2009-08-21 | 夢見鳥

  蝶はふつうヒラヒラと、 螺旋を描くように飛んでいる。 大きな蝶ほど羽根をぱたぱたさせて落ち着かない。 
  ところが タテハ蝶の仲間  「コミスジ」は、 風まかせの優雅な飛翔である。 羽の開閉がすくない。 飛ぶというよりも、 羽は開いたまま波乗り(風乗り)名人のようで、 スーッと滑るようにやってきては、 ひそやかに降り立つのだ。
  

   

    今日も

  目の端を黒いものがよぎった気がして庭を見ると、 来た。  白と黒のあの蝶が。 三度旋回すると、 ここぞと見定め薔薇の木にとまった。 
  硝子越しだが文句はいうまい、 至近距離だ。

     チャンス チャンス!    カメラ   カメラ… 

       
      
             

    終始無言のコミスジは、 真夏のけだるい風とともに去っていった。 
  全体に丸みを帯びて、 羽の厚さも薄く感じる、 モンシロチョウくらいの大きさ。
  風に流されているように見えたら 間違いなくコミスジだ。 

  

  

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酔蝶花

2009-08-20 | 自然や花など

  いただいたクレオメが咲き出した。

  この花を、 はじめて知ったのは清川 妙先生のエッセイの中だ。 大すきな文章のなかに咲いていたのだ。  タイトルは忘れたけれど、 エッセイを読んで風蝶花を夢みるようになった。 今すぐにも読み返したいが、 何冊もあるご本の何頁か探しあぐね、 分かりましたらお教えください と 虫のいいこと。

  朧ながら 酔蝶夢花も思い出す。 字が違うかも知れません。

              -☆-

  手持の歳時記に、 クレオメはでてこなかった。 よくよく調べると、 花魁姿で登場だ。 蝶が飛ぶような 「風蝶草」も、 昼は白っぽくあわれにみえる。 黄昏どきに紅を掃いてなまめかしく 華やいで 「花魁草」 とも呼ばれるらしい。 それとも 花魁の簪だろうか。  草夾竹桃とも出ている。

     揚羽蝶おいらん草にぶら下る    素十 
     

 その姿は 見れば見るほど不思議。 一行では説明できない。
 それぞれの花が集まって、 なんとなく輪になっている。 花びらは四枚、 短い雌蕊と、 そのまわりにとても長い雄蕊六本、 鬚のように舞っている。
  いくつもの蕾が、 明日のために用意されている。  
  

    西洋風蝶草  酔芙蓉もあり  酔蝶花 (團伊玖磨 「パイプのけむり」参照)

 

 

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どんぐり

2009-08-19 | 別所沼だより

  だいぶ成長した コナラのドングリ  花はこちら

       団栗の寝ん寝んころりころりかな    一茶

  メタセコイアの実?  下草にも鈴なりだった


     

       弁財天の珊瑚樹     舞台女優のイヤリング 

   7月)落羽松の実

   とても堅い 落羽松ラクウショウの実  
    

     草いきれの叢は  むせるような匂いがする
      それでも  茂り合う風情がこころを和ませた 

    

 

 

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菩提子

2009-08-18 | 自然や花など

     

 
                  菩提樹の実の垂れ日ざしまんだらよ   大野林火

   初夏の頃 クリーム色の花を咲かせた菩提樹 は
  晩夏  青い実が色濃くなって 
  羽根のようなプロペラに 仲良くぶら下がっている。

  エンドウ豆くらいの実は 細毛に覆われ
  秋の終わり 淡い黒になる
  堅くて香り高いので 糸でつないでお数珠にするそうだ
   (菩提子ボダイシ)

           

      

         菩提子を紅ヰの糸につなぎけり     松瀬青々
         菩提子ははかなしほとけ美しき      風三楼

    ベニィ の 糸…
      「べに」が やわらかく伸ばされてやさしいね
    紅い糸でつなぐ黒い珠実  さぞかし綺麗でしょう

 

 

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イナバウアー

2009-08-14 | 夢見鳥
  

 

                   

   ♂のツマグロ君 うまく決まったので コメントはありません。  

 

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風の中

2009-08-12 | 夢見鳥

      夏の蝶こぼるゝ如く風の中      石鼎

  狭い庭でも   空から

     こぼれ落ちるようにひらひらと   熱い風に吹かれ 


           

      ホットな衣裳は  ツマグロヒョウモンの♀  

      菫の葉にちかづいて   産卵がはじまる

      見えないボードを叩くように 何度も繰り返した

 

     

    
      ところで  ♂は  
        衣裳も控えめだが  ほとんど見かけない。
   

 

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夕顔?

2009-08-11 | 自然や花など
瓢箪の花 寄りてこそ それかとも見め たそがれに ほのぼの見つる 花の夕顔  (源氏)

 もっと近寄って見てこそ…


 しゃれた名前の夕顔の花    実の有様こそ… せめて ほおずき程度ならよかったのに (枕草子)
 
  夕顔は 干瓢のこと。
 

     白の涼しさ  はかなさよ
   花火見物の場所取りで 夕顔によく似た花に出会った。

   これは立派な 青い実だ    

         

    たそがれどきに、 ほのかに見えたのは 瓢箪の花だった。  
    暗くなれば カラスウリのように 白い花がなおさら引立つ。 
 

      

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夏の花

2009-08-08 | 別所沼だより

    

           空と牧場のあひだから ひとつの雲が湧きおこり
           小川の水面ミナモに かげをおとす
           水の底には ひとつの魚が
           身をくねらせて 日に光る
 
           それはあの日の夏のこと!
           いつの日にか もう返らない夢のひととき
           黙つた僕らは 足に藻草をからませて
           ふたつの影を ずるさうにながれにまかせて揺らせてゐた
 
           ……小川の水のせせらぎは
           けふもあの日とかはらずに
           風にさやさや ささやいてゐる
 
           あの日のをとめのほほゑみは
           なぜだか 僕は知らないけれど
           しかし かたくつめたく 横顔ばかり

                    「夏花の歌」 (その一)    立原道造

                  -☆-

  ここにグリーンの旗を掲げるのも久しぶり。 ロープの白もまぶしく映る。 
 
気温28℃  湿度90% じっとしていてもびっしょり汗をかく。
  暑くてお客も少なかろう…    

  夏草が茂り、 緑の絨毯を敷いている。 水引草の紅い点々も目に沁みた。 けなげな姿が見あげている。 クローバーや露草にちいさな蝶、 日蔭で眠りこけている。 さかんな蝉時雨のなか、 まどろむような別所沼。 訪れるひとは絶えないけれど   


     

  男性がひとりのぞいて、 熱心に聞いてくださった。 玉の汗をぬぐいもせず、ありがたいことです。 汗くさいからと入室はご遠慮された。 お互いさま
 本日は午前のみで午後からはSさん。 多彩な話題が尽きなかった。
  来訪者 午前 4名。  午後から、たくさんみえるでしょうね。

 公園の  原爆死没者慰霊の碑に真新しい花がある。
  鮮明な夏の花  きょうも あの日とかわらずにある
   忘れないでいたい。 戦争はいらない  二度と起こさない。

 
     ベニシジミ  ウスサカハチヒメシャクorマエキヒメシャク 
  

    白も古ぼけたレースのような蛾は    ↑
  ウスサカハチヒメシャク or マエキヒメシャク
        どちらでしょうか


              -☆-

  昼ちかく、 風のように入ってこられた可愛らしいかたは 作品展示の江刺さんでした。 お会いしてよかったです。 人柄や、タイトルもわかり、ご説明により作品のイメージもふくらみました。 創るエネルギー、 ゼロから立ちあげる、 発想がすばらしいと思うのです。

 

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月涼し

2009-08-04 | 自然や花など

        

     夕方7時ころ
      昼の暑さと喧噪をよそに きれいな月が昇ってた。


   ほとんど丸い。  電線の向こうを、静かに渡ってゆく。  
                           月齢13  18:57   
 

     

                           

         満月は6日   晴れるといいな…

 夏の夜の月光がこんなふうに地面を白々と照らすのを 夏の霜 言うんだ
  知らんだろう…  

        

         ハハア 参りました  これからも よろしくね
         
                 そんなら  オレについて来な
                

          

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話の種

2009-08-03 | 自然や花など

        芭蕉の花


   不思議な花です。 大きな苞のもとに ラッフル状の襟飾りのようなの
    雄シベ…? 

 坊は泣きやんで芭蕉の花をさして 「モヽモヽ」という  寺田寅彦  「花物語」

                -☆-

   でも 坊や…   楕円のところは 実ではないらしいよ。 
   真の
実は!  バナナに似てるそうだ。 
          それも種が多くて食べられないんだって  残念でした。     

     写真に撮ったおかげで、 ようやく話の種が 見つかった。
      もういちど見てこよう。

                -☆-

  フランス語のジャボとか ラッフル…  なつかしい響きだ。
     ジャボは ひだやレースで形作った胸飾り。
       もとは、男性用のドレス-シャツの飾りだったのだ。  

       ラッフルも ギャザーも  フリルも 遠い夢のなか
               なぜだか  森 茉莉さんが浮かんでくる

 

 

 

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