別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

ハウスの周り

2009-05-30 | 別所沼だより

  水分をたっぷり含んだ森はなんと清々しい冷気に充ちているのでしょう。
 雨上がりの午後、 ヒアシンスハウスのガイドは、 月刊タウン紙 「武州路」の
ヒアシンス通信を書いていらっしゃるK子さん。 蛙が写す沼の写真も、 毎月厳選十枚のうち一点がエッセイの誌面を飾るのです。 
 お役にたっているらしいので嬉しくなりました。 

  2003年より月二回のペースで別所沼を観察、 一度に50~80枚は写して、ほとんど没。 たまには佳いのがあって歓喜しながらつづきました。  

  おや…  浮島に翡翠が きょうは3羽もいますね。 親子でしょうか。 初めてです。 水面すれすれに鳴きかわしながら飛んでいきました。 被写体まで10m以上、 もっとあるかしら 
  デジカメでは無理、 いつかきっと性能のよいカメラに変えて、 そんな一瞬をとらえてみたい、夢は広がります。 

 
  

  別所沼文芸の会は、 俳句、エッセイ、詩、短歌、評論、写真と分かれていて、 平成21年1月の会員62名中、写真はたったひとり。 ライバルがいない… とても愉快になりましたが責任重大です。 志願したわけではないのに、 いつの間にかこのようになっていました。

 

   こんな浅い水たまりのムクドリの水浴   姿は見えるでしょうか。
  
    オトギリソウ科  未央柳が満開です。  種類が多くて こんがらかった

  

 

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話し相手

2009-05-26 | 自然や花など

          

    お福わけのモミジバゼラニウム  花も葉も張りきって

      アイビーゼラニウム? も      

                       

 
蜘蛛垂れて日の出を浴びぬ胸の前     楸邨

 
    レモンの葉をよぎる太鼓

     トン トン ダ ダ ダン   波が広がる 
  
      誰もいない庭は 花と虫だけ・・・
 

   

   蜜蜂の羽音…    猫は いつでも しのび足

          

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暮れがた美人

2009-05-19 | 自然や花など

 

        はなびらの垂れて静かや花菖蒲    虚子

  黄昏どき、 黄菖蒲がにわかに色めき立ってくる。 

    庭の一隅で 昼間はさほど目立たない花も
       薄暮に  私は ここ… と にぎやかだ 
     

  

   ブラックベリーは 青い実をつけて 
       花の大きさにも驚く   思ったより大きい。

 
  小さなヒオウギも 浮かびあがらせる暮れがた…

                 -☆-

  5月17日 善光寺。 
  雨がそぼ降る ほの暗い庭園で 白く美しいかんばせに惹かれた 
    紅色の雄しべをのぞかせて 

  

  匂うような綿帽子に 雨の雫…  うつむく姿も うるわしき花 大山蓮華
       拡大写真

  夜目 遠目… 笠の内   もとより 美しい花たち。 黄色い牡丹もあざやかだ。

 

 

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つつましい花

2009-05-15 | 自然や花など

  高いところなので うまく写りませんが、 色はベージュ、 紐のようにさがっているのがコナラの花。  遠慮深く、 控えめです。

 

  

  ↑ これは栗の木   丸いのが雌花   紐のような雄花     
    

 

        栗の花 紙縒コヨリの如し雨雫   杉田久女

   
間もなく細かな花が咲いて あたりは甘い香り

 

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アンゴラ兎

2009-05-09 | 別所沼だより

                                  
      月の光のこぼれるやうに おまへの頬に
      溢れた 涙の大きな粒が すぢを曳いたとて
      私は どうして それをささへよう!
      おまへは 私を だまらせた……

      《星よ おまへはかがやかしい
      《花よ おまへは美しかつた
      《小鳥よ おまへは優しかつた
      ……私は語つた おまへの耳に 幾たびも

      だが たつた一度も 言ひはしなかつた
      《私は おまへを 愛してゐる と
      《おまへは 私を 愛してゐるか と

      はじめての薔薇が ひらくやうに
      泣きやめた おまへの頬に 笑ひがうかんだとて
      私の心を どこにおかう?

                          爽やかな五月に  立原道造

  写真: 窓辺に飾られているもの。  
    今月は鉄の彫刻 
     中田志津惠さんの 「一切有情」 「時の余白」 など 楽しい作品。 

                 -☆-
 
 爽やかな ひかりのなかに ソネットが響く。 それは、 やさしく哀しく漂った。
 半年ぶりの当番は、 まず今月からガイドになられたIさんに、 新鮮な気持ちでお教えした。 旗は ロープが盗まれて揚げることができない。  
 
 ・県立浦和第一女子高校アナウンス愛好会(一九年度、 県の高校放送コンクール オーディオピクチャー部門 優秀賞) の生徒さんからインタビューをうける。(説明が違っていたらごめんなさい)
 ハウスにビデオカメラが入って、 道造さんも楽しんだかしら。
 高校生が、 若々しい瞳をひからせて挨拶されたのも印象的

 ・今朝の東京新聞に 「市民の心 潤すオアシス」として別所沼公園とヒアシンスハウスが紹介された。と 切り抜き持参でいらしたご婦人。  拡大写真。 その行動力を讃え感謝します。 教えてくださってありがとうございました。
・ご家族おそろいの やまもと たく先生に久しぶりでお会いしました。 夏目漱石論がたのしみです。 
・建築士の方は、 感嘆しきり! 
・ネザーランド・ドワーフを肩に乗せて立ち寄る方。 グレーのやわらかな毛並み、 丸いからだ、 短い耳。 ピーターラビットでお馴染みの姿。 なついた兎をみながら、 手紙の一節がうかんだ。
 
  … 別所沼のふじや、アンゴラ兎は元気ですか。 桜草の野原へはいらっしゃいますか。 浦和の町も、もう夏ですか…
 (一九三六年六月一四日(日)神保光太郎宛  立原道造)
  

                 -☆-

  来室三四名  二六℃  窓を開け放して、 気持ちのよい風が吹きぬけた。
  連絡に来られたYさん、 おなじ頃大病をして休んでいたTさん、ガイドが四人もそろって、 にぎやかで楽しい日でした。

  奈良のH様
  4月11日の書きこみを拝見しました。 ほんとうにありがとうございました。
  春の別所を楽しまれたようで 少しホッとします。 お会いできなくてほんとうに残念でした。 どうぞ またお出かけくださいね。 来年こそ かないますように…

     

 

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喪服の蝶

2009-05-09 | 夢見鳥

  朝日をあびて 真っ黒な蝶が現れた
  サンショや レモン 柚子の葉がめあてらしい
   
    ようやく 網戸に近づいたところ

      

  カラスアゲハ でしょうか    

 

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虹の輪

2009-05-08 | 別所沼だより

    


     あたたかい香りがみちて  空から
      花を播きちらす少女の…  

 

  道造さんではないけれど

   天使のてのひらが
      物憂い あたたかな風を 虹に変え 
      長雨にぐずついた空に 日が射し
       気が付くと 
        あちらのビルかげから  こちらの電柱まで  


      造形の成長過程を ほとんど知られず
       触れることもさせないで
      とつぜん現れ  しずかに消えた  

       大いなる絵画は  ものの10分 
    
                             

                                    2009:05:08  17:31:55

 

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蓮池の蛙

2009-05-05 | アートな時間

        

         一つ浮く蓮の浮葉にたゝずめり     風生

 午後から降りだした雨に 緑が洗われてすがすがしい。
 蓮池の蛙を思い、 世田谷の息子たちと出かける 青嘉堂文庫美術館。 筆墨の美 ―水墨画展。 今回、 酒井抱一の絵手鑑 「蓮池に蛙」はなく、 虎 ・ 雲龍 ・ 南瓜 ・ 釣人など4図のみ公開。 絵手鑑は手本となる72図が折帖に貼られている。
 
  中国と日本の、水墨画の名品を堪能。 13世紀 南宋時代の「龍馬負図硯」 端渓石、「蓬莱硯」 洮河緑石。 明時代の「三彩鴨水滴」など、文房具もみられる。 
 英一蝶「朝暾曳馬図」、尾形光琳「鵜船図」、池大雅「壽老図」、頼山陽「白露横江図巻」、渡辺崋山「遊魚図」。
 川合玉堂 「雨後図」。 山間に靄がたちのぼる。 雨後のしっとりとした空気感、 濡れたみどりが輝いている。 まさに 今日のような緑の滴り、 臨場感。
  庭園の 黄緑に染まる池に黒々と、 小さなオタマジャクシが群れていた。 
   
         思ひつくこと たちまちに 蝌蚪(カト)泳ぐ      汀女
 
  ここから上野毛、 五島美術館へと向かった。 庭園も楽しみ。

  館蔵 春の優品展  水墨画・古筆と陶芸
   特別展示  源氏物語絵巻 鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法
     主な展示品 水墨画・古写経・古筆・陶芸 など HPからみられます。
    鼠志野茶碗 峯紅葉  
    蓬莱切 伝 藤原行成筆 
    光明皇后願経 五月一日経 得無垢女経  奈良時代 天平十二年

  紺紙金銀交書倶舎論 巻第二十三(中尊寺経) 平安時代 
  一行おきに金泥と、銀泥で書写したもの。 

  ※ 蝌蚪  蛙の子 
    写真  5月3日 盆栽展で

 

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コナラの木

2009-05-04 | 自然や花など

  三毳山の小楢の木、 別所沼にもあるので2005年の写真で その成長をたどってみよう。

7月2日 春先の林で、 遠目にも白い葉を裏返して、 そこだけほんのりと明かるいコナラの木。  その秘密は
 
 葉の表面に絹のように光った銀色の細毛がみっしりと生えている。 この密毛の反射が、遠くからみると、うす緑の上に銀鼠のもやをかけたようにみえる 
           (雑木林の博物誌  足田輝一)
 

下つ毛野 三毳山の小楢のす まぐはし子ろは 誰が笥か持たむ 
 
 下野の国の三毳山に生えている
 コナラのように うぶ毛が銀ねずに光っている若々しい かわいい娘コよ  いったい誰と一緒になるんだろう…  (清川 妙の萬葉集)

  6月21日 ギザギザの葉が、 くるっと下向きに反転して伸びてくる。  白っぽい葉を、 暗褐色のゴツゴツした幹がささえる。

 6月21日   

  夏、 濃緑の葉は影をつくり、 走る人たちを励ましていた。 
  (下写真) 7月22日、 すでに小さな実がついている。 
   木の間隠れに中央の白い殻斗、 はかま、お椀… 呼び名は変わっても コロンとしてかわいいな。
  花のころに気づかないなんて、  ことしこそ撮したい。 

7月22日

8月10日

(上の写真) 8月10日。 高く繁ったその上まで見極めるのはむずかしいが。 写してみれば形もはっきりとして、 つややかなグリーンが光っている。 
  一人前の葉になると細毛はなくなり、 きりっと伸びきって逞しくなった。
  9月4日 台風一過、まだ青い実が落ちている。

9月4日10月12日

 10月12日 ドングリはだいぶ大きくなって、下からでもすぐわかる。 成長して帽子も小さく見える。

 

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五月

2009-05-03 | 自然や花など

   薫風 橘月 麦秋 皐月 
 水田をわたる気持ちのよい風、 吹かれる茅花ツバナ。 茅萱チガヤ、千茅とも。 
 ファンタジックな紅の雄しべ、 田植えを待つばかりの畦でとても目立った。  
  

やがて白い穂になり、 絮ワタをフワフワ飛ばす日も来る (4月29日 日光市郊外)

                  -☆-

 花のまわりでホバリングする、 薔薇が大好きなチュウレンバチ。 これは害虫だって。 たくさんいるぞ!

 

                   -☆-

 

 切手趣味週間の切手。 
 
 中国と日本の画家が描く牡丹

 

  金島桂華(1892-1974)牡丹(部分)
  于非闇  牡丹蜂雀 (部分)
  任伯年  牡丹(部分)

  シート右列の水墨画に魅かれる。   

中国美術館にて

  原画がみられます。

   咲き誇る美しい切手… 

      小さな芸術品

 
           -☆-

  盆栽展で 蝶にであった
  こちらは動く芸術  


 




  みんな動き出す   五月は。
   さわやかな麦わら帽子と 白く光るウェイトレスのエプロンの初夏… 
                          
がやって来た。

 

  

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