別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

京都

2010-09-22 | アートな時間

 どうしても寄りたいところがあった。 
  河井寛次郎記念館  
-土と炎の詩人、その作品、陶房、登窯、コレクションを公開している-  以下に パンフレットから引く
 
 寛次郎が日本各地の民家(主に飛騨高山)を参考にしつつ、独自の構想のもとに設計し、 昭和12年に建築された家。  
 その生涯を通じいつも子供のように感動する心を失わず、ありとあらゆる物と事の中から喜びを見いだし… 
 「驚いている自分に驚いている自分」
 何よりも人と人生をこよなく愛し大切にした 

  これらは 「不忘ワスレジの記」 父 河井寛次郎と縁ユカリの人々 河井須也子」に明らかだ。 柳宗悦、 バーナード・リーチ、 濱田庄司、 棟方志功…  来客が絶えなかった河井家の賑わい。 なにげない物にも寄せる寛次郎のセンス、こだわり、 歓喜、 まなざし、やさしさをかんじて嬉しかった。  はげしさと静けさと。

 二階 居間 
 「楽在其中」
 
 楽しみは其の中に在る。 須也子さんの結婚祝いに柳宗悦から贈られた。 中国・泰山の石碑による拓本。 寛次郎がとても気に入っていつも飾っていた

 ともすれば私たちが忘れがちな身近なこころや形をたいせつにし…  

 水を得た魚のように 父は欣喜雀躍、それこそ手の舞、足の踏むところを知らずと言った具合で  「不忘の記」 


 ここでも 猫ちゃん…   熊助なの?

  二階は案内するわ  ついてらっしゃい! 
   吹抜をめぐるように 書斎へ 
    

  大うす と 椅子(寛次郎デザイン)

   記念館 ほかの写真はこちら

 

 

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沼のスケッチ

2010-09-18 | 別所沼だより

  

 けさの沼は 落ちついてみえる、 やはり秋がきたのです。
 風は水面の雲をうっとりながめ 涼しくさっぱりしている。 アオギリの葉をサワサワと鳴らした。 秋… とおくの屋根もくっきりみえて まだつよい陽をはね返していた。 
   

       

  北側に ヒガンバナ発見。 
  かな女の句碑のまわりはまだ咲かない。

 

   

   静かな沼、 さざ波が囁きかわすようにとどまっている。 快晴の土曜 釣りびと多し。 公園をぬけ遊歩道の虫の音に誘われてここに来た、 爽やかな朝に感謝だ。 ところが

  風信子のドアまえに生魚が散乱し、 すさまじい悪臭が漂っている。 猫だろうか、 洗浄しても陽に暖められてしみ込んだ異臭はいよいよ増すばかり。 とんだ贈りものに気も滅入った。 マットや濡れたモップを乾すのも目障りで 詩人のイメージにほど遠いものだった。

  鍵を開けると、 すがすがしい木の香が飛び出してくる。 すべての窓を開放し ひとり時間を楽しむ。 道造がほとばしるように歌っている、 たくさん読んだ。

 ・瀬ヶ崎から自転車で40分かけて。 14日付朝日新聞埼玉版に 「立原道造の夢継ぐ家 詩の朗読会「新鮮」 別所沼に毎月集う」 と紹介された、 それを見てきた。 詩もすき、 ここで過ごしたい… ガイドになることをお奨めしたけれど 

・ 建築科の女子学生 夏休みの課題はヒアシンスハウス。 暑いさなか、 熱心にスケッチ。 インテリアに関心をよせる、 夢がいっぱいだ。

・ 中国人留学生3人、 建築を学んでいる。 先の方と同じ大学らしい。 上海や蘇州の話などしてはずんだが、 地元でも観光地はよく知らないらしい。 こちらも同じだけど。 
 日本語が上手で 細かいことは漢字を書いて説明できた。 
 「謝謝…」と見送って 「発音がいいです」 とほめられた。
  みんなの笑顔もすてき。

・別所沼会館で会社のOB会 帰りに20名ほど寄りますのでと予告があった。 結局、いらっしゃれなくなった。 楽しみに時間をずらせて待ったので残念。  なつかしい楠見さんにもお会いした。 追分の旅でお世話になった。

   見学 5名。

   

  木もれ陽が透きとおる
   シルエットのうしろ  明るい木々が心を捉えた  
    秋蝉が鳴いている

 

 

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サンシン

2010-09-06 | 別所沼だより

  4時過ぎの公園。 蝉しぐれにまじって哀調を帯びた旋律がひびく。 ベンチで青年がつま弾くのは沖縄の三線サンシンだろうか。 めずらしい楽音が沼のさざ波にのって流れた。  連日37℃を越える、 高温には驚かなくなった。 外出には相応の気合いを入れて、 ようやく別所にたどり着く。 
  日陰をえらんで歩くと かすかな秋の気配をさがした。

  

  数珠玉はほとんどが白っぽい黄緑で、 なかに茶褐色がちらほら。濃い赤茶もある。 野葡萄のヒスイ色に魅かれ、 アオギリの実は袋に入って花のよう。 色なき風に揺れるのをどきどきしながら見あげる。   リースのような落羽松など。 心を澄ましてみれば、 何かしらみつかるのだった。  出かけてきて良かった…

 

   

  翳にも秋の気がこもっているような感じだ。 
   西日に灼かれる向日葵に夥しい虫食いの穴は。 
  秋近し…  鰯雲をみながら、 そう思う。 

 

     

  沼風は暑さを和らげてくれた
    サンシンもまだ聞こえている。

                  -☆-                                

    秋の航(コウ)一大紺(コン)円盤の中   草田男

   航は 飛行機で空を行くのだろうか 
     それとも大海原を船でわたるのだろうか  
     一大紺円盤のなか…  スケールが大きい
       
    青空ばかりで 雨がほんとうに恋しくなった

 

       クリスマスリースのような落羽松

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