ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

精霊の守り人

2016-05-03 15:23:54 | 本を読みました
精霊の守り人 新潮文庫 上橋菜穂子著


守り人&旅人シリーズ」のHPから

腕ききの女用心棒・バルサはある日、
川におちた新ヨゴ皇国の第二皇子・チャグムを助ける。
チャグムは、その身に得体の知れない”おそろしいモノ”を
宿したため、「威信に傷がつく」ことをおそれる父、
帝によって暗殺されそうになっていたのだ。
チャグムの母・二ノ妃から、
チャグムを守るよう依頼を受けたバルサは、
幼ななじみの薬草師・タンダの元へ身を寄せる。
そして、バルサとチャグムは、
タンダとその師である呪術師のトロガイから
驚くべきことを告げられるのだった
── チャグムに宿ったのは、
異界の水の精霊の「卵」であること、
孵化まで守らないと大干ばつがおこること、
そして、異界の魔物がその「卵」をねらってやってくること ── 。
帝のはなつ追っ手、
さらに人の世の力をこえた危険から、
バルサはチャグムを守り抜けるのか? 
バルサとチャグムの出会いから始まる、「守り人」シリーズの第1作。



これがあらすじと一部ネタバレです。



テレビで綾瀬はるか主演でこの小説のドラマ化するということで
NHKが大々的に特番を作ってPRしていました。

「大河ファンタジー」というふれこみ。

ファンタジー苦手分野。

でも特番を見ていると、
女用心棒というキャラが合いそうもない綾瀬はるかは
低い声を出して立ち回りをしている。

その立ち回りがかっこいいのなんのって。

また、吉川晃司が渋いのなんのって。

ちょっとみてみようとテレビドラマを見ました。



綾瀬はるかは確かにかっこよかった。

なにかで、
今は年齢的に合わないけれど、
江角マキコがバルサに合っているというのを
見かけたけれど、
バルサの言葉遣いが、
ショムニの時のセリフが重なっているからか。

ドラマを見ているときはそう思った。




ドラマはちょっと消化不良。

どの年齢層を狙ったものなのか。。

元が児童文学ならもっと
子供向けに作るべきじゃないかと
思ったりして。



この消化不良を直すために
原作を読もうかと思う。

しかし、

原作は、野間児童文芸賞新人賞受賞、
産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞、
日本児童文学者協会賞受賞の作品。

児童が連呼している。

子供向けの本なんて読めるか。。と思う。




しかし、しかし、
本屋に行ったら、
今週の売れ筋のところに
山積みになっていた。

で。。ぱらぱらめくってみる。


字が小さい。。厚い。。。

子供向けじゃないじゃん!


と思い、買ってしまいました。




原作を読み終わって、
バルサは、
綾瀬はるかでよかったんじゃないかと
思いました。

バルサは、
本当は女性として、人間として
生きたかったのに、
生きるために非情にならなくてはならなかった。

言葉遣いも立ち振る舞いも荒々しい。

男にならなくては生きていけなかったからか。

だからこそ、
女性的な面うかがわせる体型が
この話には合っているような気がしました。





さてさて。。

話の出来はすばらしいものがあります。

思い付きで、勢いで書いた作品でなく、
いろいろなところで物語のキーとなることが
書かれています。

キーを読んでいるときは何とも思わず、
あとで
「そういうことなのね」と感心することが
しばしば。

ナージの魔除け、
ナージの歌。

意味があって書いているのね。



本を読んでいて
情景が浮かぶ人には
すっごく面白い本だと思います。

私は情景を浮かばせる前に
どんどん読み進めてしまうタイプなので。。


ただ、チャグムの母の描写で
「まだあどけなさが残る」と書いていますが、
12歳の男の母親で、16歳で産んだとしても
28歳。

20歳代後半にあどけなさというものが
あるんかいな???




面白かったので、続編の
「闇の旅人」を買ってしまいました。



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