ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

夢の守り人

2016-08-18 07:29:56 | 本を読みました

夢の守り人 上橋菜穂子著 新潮文庫


この本、読んでいると
情景が画像となるという想像力豊かな方には
かなり面白い作品です。


想像力が貧困でなおかつファンタジーだったので
私には????の世界でした。

読んでも分からず、他の人のネタバレを読んでも
腑に落ちず。

2度目を読んでなるほど。。と分かりました。





以下、ネタバレ兼あらすじです。










バルサは旅の途中で、
人買い商人に追われている歌うたいユグノを助けます。
人買いたちのほとぼりが覚めるまで
タンダの家に隠れることをアドバイスし、
道案内をします。

一方、タンダは姪のカヤが眠ったまま目覚めなくなり、
カヤの親などに責められます。
タンダの見立ては「魂が抜けている」。
魂をもとに戻さなければカヤは死んでしまいます。

この眠ったままの状態は、一の妃、チャグムなどいろいろな人が
なっていたのでした。

カヤを元に戻すため、タンダは危険を冒して
カヤの魂を追います。


タンダのたどり着いたところは、
大きな宮の中庭で、
大きな花が咲いていました。
大きな花の周りには小さな花房があり、
大きな花も小さな花房も暖かい灯色をしてました。
その小さな花房の中に眠って覚めない人が
また夢をみていたのでした。
夢が花の栄養になるようでした。

その花を守る花番に騙されて、タンダの体は動かなくなります。
動く魂で、カヤを探します。

カヤを見つける前にチャグムを見つけます。
夢をずっとみていたいというチャグムを説得し、
チャグムを現生に返します。

目覚めたチャグムは、シュガを通じて、
このままでは花に捕らわれた人は死んでしまうと
トロガイに助けを求めます。


一方、現生では、
タンダは体を乗っ取られて、ユグノの命を狙います。
タンダは驚異的な身体能力を身に着け、
バルサと対等に戦います。
タンダを殺したくないバルサ。。

トロガイの機転により、
タンダを追い払い、結界の中に入るバルサたち。

ユグノが花に関係する人物と知ります。
そして花の世界に異変が起こり、
タンダが花守りとなっていることも。
花の世界を正常に戻そうと思うけれど
花の咲いている場所がわかりません。

シュガを通じて、花が咲いている世界、
いつ花が散るかを知ったバルサたちは
花が咲いているであろう湖をめざします。

チャグムに手配をしてもらった狩人に
タンダを殺さないで足止めするようにと
依頼しての旅でした。


湖につくと、チャグムがシュガを伴い現れます。
久しぶりの再会に喜ぶバルサとチャグム。

結界の中からトロガイが花の世界に行くと途端に
結界が解けて、タンダが襲ってきます。
しかし、タンダは体力の限界で
すぐに倒れて意識を失います。


花の世界についたトロガイは花番に会います。
しかしだまされ、危機一髪のところを
タンダに声をかけられ正気になります。

花番は一番最初に受粉した一の妃に乗っ取られて
いたのでした。

他の人たちの夢は花を成長させるために
必要でした。

花が成長したら風に吹かれて夢見る人たちは、
現生に帰るはずでしたが、
一の妃は、大切な子供を亡くした悲しみをいろいろな人に、
特にチャグムの母である二の妃に味会わせたく、
花の世界の終わりとともに、夢見る人たちを道連れに
心中をするつもりでした。

ユグノの歌は風でした。
風が吹かないようにするため、
ユグノを子供にして歌を歌えなくするつもりが、
ユグノが逃げたので、花守りを使い、命を狙ったのでした。

トロガイは一の妃を説得します。
夢見ていた人は現生に帰っていきます。
花の世界が終わる前にトロガイとタンダは脱出するのでした。


そして、タンダは目を覚まします。
かなり体にダメージを受けて。
それを労わるバルサ。

ユグノはまた旅に出るのでした。








二度読んだから、あらすじが書けたんだと思う。。。。

花の種は、花の世界で受粉し種を作るときと
種が人の体の中に入り、人の夢を糧に成長し、
また宿主が死んだときに、花の世界で芽を出すようです。


まえまえから、タンダのバルサへの対する思いは
感じていましたが、
まさかバルサもタンダのことが好きだったなんて。。

「タンダを殺すぐらいならタンダに殺された方が良い」
なんて。。すごい愛ですね。

愛する人とは常に一緒にいたいと思うものだけれど、
タンダとバルサの愛の形は違うようです。



そしてチャグムの運命。

バルサ、タンダ、トロガイの生活した日々を懐かしむあまりに
夢の世界に浸ってしまいました。

一瞬、バルサに会って、皇太子の座を捨てて、
バルサと共にどこかへ行ってしまおうと思ったようですが、
聖導師の「帝になれず挫折した人には病死か事故死という
運命しかありません」の言葉の意味を知ります。

つまり、病死か事故死に見せかけて死んでもらいますってこと。

自分の護衛に連れていく狩人が実は自分の見張り役で
逃げようとしたらその場で殺されるってこと。

だから、帝になるしかないってこと!


聖導師様。。。ブラックすぎる。。。。。。。。。

影の帝だったのね。。。。




この夢の守り人は、
読めば読むほど、読む返すほど味が出てきます。

おすすめです。



前回、闇の守り人が良いと書きましたが、
こっちの方が面白い。



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