ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

逝年

2011-10-26 23:49:16 | 本を読みました
石田衣良作、集英社文庫

「逝年」は「せいねん」と読みます。
前作、「娼年(しょうねん)」の続編です。

大学は通っていたもののけだるい日々を過ごしていたリョウは
静香にスカウトされてコールボーイになります。
女性のいろいろな性の喜びを知る。
しかし、クラブは摘発されて静香は刑務所いきに。
クラブは解散に追い込まれます。

それから一年、リョウは仲間たちとクラブを再建します。
静香も出所してきますが、エイズを発症していた。
月単位の命。
愛する静かになにができるかと考え行動に移すリョウ。


そんなあらすじです。


逝年にも当然のごとく性描写はありますが、
娼年でなれたのかさほど抵抗はありませんでした。

で。。きずいたことは
男性向きのクラブと、リョウたちが運営するクラブは違う。
男性は身体だけを求める。
しかし、リョウたちの運営するクラブは、
会って食事をしてお話しするだけの人もいるし、
身体だけではなく、食事したりおしゃべりして
そして気持ちを高めてからする。
一種の疑似恋愛にちかい。

だから、女性の心も満たすのではないかと思いました。


石田さんの風景描写はすてきです。
そして、人の描写も。
特に40代女性の描き方がすごい。
オバサンとして決して扱っていません。

きっと、すごいプレイボーイなんでしょうね。
そうやって女性を口説いたのか、
それとも口説こうとセリフを考えただけなのか。。。


人を愛することはどういうことかを
考えさせられる一冊です。


私もお安いおデートコースでいいから
リョウくんをお買い上げしたいわ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする