計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

レーゾンデートルの否定か・・・?

2006年05月14日 | オピニオン・コメント
測候所原則廃止の方針 公務員削減で気象庁 (共同通信) - goo ニュース

 ついに現実のモノとなりそうですね。ここでは敢えて賛否は書きませんが、単純にこの事実に対する感想としては、測候所のレーゾンデートルが否定されたんだなあ・・・

 国土交通省や気象庁サイドからはもしかしたら「いやいや、本当はそんなことはしたくなかったのだが・・・」という声が聞こえてきそうでもありますが、結局は結果で判断されるのです。本当にコストの掛かる観測こそ、ある意味「公的気象機関」としての重要なレーゾンデートルではないかと思うのですが。最近のリストラを見ていると、観測を中心にリデュースしているように思えてなりません。

 観測設備には莫大なコストが掛かります。アメダス1地点分で数百~1千万円以上です。大手なら可能かもしれませんが・・・投資対効果が明確に出るまでには時間も掛かります。極端な話、自前で独自の気象衛星をぶち上げる民間気象会社はありません。

 民間でできる所は民間にというフレーズは何度も聞きましたし、その趣旨は理解できます。この言葉を文字れば、民間でできない所は公的機関でと言う事になると思います。この部分こそが公的機関のレーゾンデートルになると思いますが、その部分が否定されるような動きになってきています。この路線では官民の違いがより一層見えにくくなるのではないでしょうか。官民の線引きが曖昧にならなければ良いのですが。

 この結果、地域に密着した気象情報会社がその穴を埋めるニーズが高まってくるのかもしれませんね。投資してくれるエンジェル募集中!
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2 コメント

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原則廃止 (貴樹)
2006-05-16 11:13:13
測候所の原則廃止、ですか。私も新聞を読んで知りました。業務は地方気象台に引き継がれるということですが、どこまで引き継がれるのでしょうか。とても心配です。原則、ということは完全廃止ではないようですが ?

「予報業務許可の手引き」について、ありがとうございました。予報期間と最小単位に関する問題だったのですネ。現在の解析手法では無難な分類だとは思うのですが、ちょっと細かい気もしますね。

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観測の重要性 (qq_otenki_s)
2006-05-16 13:09:29
今更のように痛感しています。

まずは状況を見守りつつ、言うべき事を言う、という感じになるのかもしれません。
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