goo blog サービス終了のお知らせ 

計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

現時点では、人工知能は「道具」

2018年09月15日 | オピニオン・コメント
【※】gooブログのサービス終了に伴い、アメーバブログに移転しています。
https://ameblo.jp/qq-otenki-s/entry-12897845267.html


NHKスペシャル(2018年09月15日)
人工知能 天使か悪魔か 2018 未来がわかる その時あなたは…
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20180915

 テレビをつけたら、たまたま放送していたので、そのまま見てました。人工知能が「なんだか得体の知れない存在」のように扱われていますが、要は「ビッグデータをそのように活用するか」の問題のようにも思えました。

 さて、「xを入力すると、yが出力される」という数量の関係を「y=f(x)」と表記するとき、入力と出力の橋渡しをする関係f(x)のことを「xの関数」と言います。人工知能は、多数のx(入力)と多数のy(出力)の関係を取り持つ関数のような存在です。単なる関数と異なるのは、「学習」を通して、自らを修正を図ることができる点でしょう。

 そもそもの本質は、膨大なデータを扱う「多変量解析」です。膨大なデータの中から規則性やパターンを見出し、それを定量的に関数化することができるのが大きな特徴です。イメージとしては、入力変数と出力変数の組合せ(x,y)のサンプルをたくさん用意して、それらの関係を最も上手く表現する関係「y=f(x)」を探し当てるものです。人工知能の場合は、この関係f(x)がとても複雑な形になっているものと考えると良いでしょう。

 また、人工知能が「なんだか得体の知れない存在」のように扱われるのは、この関係f(x)が良くわからないことも一つの要因でしょう。なぜ、そのような判断になるのか?それは、「入力されたパラメータを機械的に計算したらそうなった」と言うだけの話です。

 番組では、様々な人工知能の例が紹介されていましたが、視聴した限り、「何を入力変数(前提条件)として、何を出力変数(予測対象)とするのか」、その「パラメータの選定」を行っているのは人間です。また、「教師データ(学習すべきデータ)」を用意しているのも人間です。さらに、ニューラルネットワークの場合は、入力・出力共に0と1の「デジタル信号」の組合せです(私は0~1の間の実数の「アナログ信号」のように使っています)。

 多種多様な入力・出力の情報を人工知能(数値モデル)で扱えるような「数値データ」の形にどうやって変換するのか、その「変換方式(インターフェース?)」を開発するのも人間です。

 少なくとも現時点では、人工知能は「天使」でもなければ「悪魔」でもなく、新しい「道具」であると言うのが率直な感想です。大切なのは、この道具を使って「何を実現したいのか?」だと思います。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夏の暑さとキャベツの卸売価格 | トップ | 時速の目安のイメージ »

オピニオン・コメント」カテゴリの最新記事