計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

2023年12月の傾向と背景

2023年12月27日 | 気象情報の現場から
 前回の記事で述べたように、今年(2023年)の12月は「17日頃」を境に「暖冬」から「寒冬」に転じました。これに伴い、新潟県では21~22日を中心に大雪に見舞われました。

 大気の循環場を見ると、前半は偏西風のリッジ位相が卓越したものの、後半はトラフ位相が進んできたことで寒気の南下が顕著に現れました。さらに冬型の気圧配置と日本海上の収束帯の影響も重なり、一気に冬の景色に染められたようです。



 続いて、12月21日は冬型の気圧配置となりました。日本海上では北風と西風に伴う収束帯(JPCZ)が形成され、付近では対流も活発になりまそた。上空では湿潤域が広がる他、顕著な寒気南下も重なって大気の状態は不安定になっており、大雪や強風なども予想されました。



 12月22日も冬型の気圧配置が続き、その上空では非常に強い寒気も南下しました。また、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が北陸地方にかけて延びており、その付近では対流活動も活発になりました。また、JPCZの動向に加えて、その北側に広がる「Tモード」の雲域の広がりが、平野部中心に積雪の増加に寄与したようです。

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