計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

2022年12月の降雪傾向を振り返る

2023年01月05日 | 気象情報の現場から
 謹んで新春のお慶びを申し上げます 

 新春早々、山形県・新潟県の昨年(2022年)12月の積算降雪量を平年値(1991~2020年)と比較しました。

 山形県は昨年・平年共に朝日連峰で極大域となりましたが、極大域における昨年の値は平年値より1m近く増えています。12月18日~20日および12月23日の大雪の影響がうかがえます。



 また、新潟県の平年は山側ほど降雪量は増加しますが、昨年は中越北部~県央の降雪が顕著でした。特に魚沼付近では昨年の値が平年値より1m近く超過しました。こちらも12月18日~20日の大雪の影響がうかがえます。



 昨年(2022年)12月中旬は、北極付近に蓄積された寒気が中緯度地方に放出される「負の北極振動」の形となりました。さらに、ヨーロッパから日本付近にかけて偏西風が「谷ー峰ー谷」の波列となる「正のEUパターン」が加わり、日本付近では非常に強い寒気が南下しました。



(2023.01.05追記)
 また、輪島・秋田の高層気象観測を基に「850hPa面の風配図(12月)」を作成し「平年(1991~2020年)」と「昨年(2022年)」を比較しました。秋田では平年と昨年で同様の傾向を示した一方、輪島の昨年は平年に比べ西南西の風向が卓越しました。昨年12月の積算降雪量の分布にも両者の違いが現れたと考えられます。

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