計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

2022年12月23日の「顕著な大雪」

2022年12月28日 | 山形県の局地気象
 2022年12月23日は、強い冬型の気圧配置の影響で山形県内でも顕著な降雪に見舞われました。普段は雪が少ない山形市でも「記録的な降雪」が観測され、山形地方気象台より「顕著な大雪に関する気象情報」が発表されました。

 第1図は、この日の山形県の24時間降雪量です。西置賜の「小国」では96cmの降雪が観測されました。また、豪雪地として名を馳せる「米沢」では降雪量が4cmと少なかった一方、普段は雪が少ない「山形」では38cmに達しました。


第1図・12月23日の山形県内の24時間降雪量


 第2図は、2022年12月23日12時における数値予報図(気圧配置と降水量)です。
 日本海北部には低気圧があり、その南側では日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が形成されました。山形県から秋田県付近に向かって延びているのが判ります。


第2図・12月23日12時の数値予報図(気圧配置と降水量)


 第3図も、2022年12月23日12時における数値予報図(気圧配置と風向風速)です。
 山形県・新潟県は日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)の南側に当たり、南西寄りの強風が卓越していることが判ります。


第3図・12月23日12時の数値予報図(気圧配置と風向風速)


 第4図は、2022年12月23日12時の山形県内の風の流れの様子(流線解析)です。
 南西の風が飯豊連峰や朝日連峰に突っ込んでいる様子が描かれています。この付近で降雪量(第1図)の極大域となりました。
 あらためて日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)の「狂気」を感じます。


第4図・12月23日12時の山形県内の流線解析


 第5図は、2022年12月23日18時の山形県内の風の流れの様子(流線解析)です。
 海上では南西の風となる一方、内陸では南寄りの風となっています。南西の風に伴う雪雲の進入が南風によって食い止められているようにも見えます。


第5図・12月23日18時の山形県内の流線解析
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