股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

マンチェスター・バイ・ザ・シー

2017年05月15日 23時02分27秒 | 映画評論マ行
製作年:2016年
製作国:アメリカ
日本公開:2017年5月13日
監督:ケネス・ロナーガン
出演:ケイシー・アフレック,ミシェル・ウィリアムズ,カイル・チャンドラー,ルーカス・ヘッジズ
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ボストン郊外で便利屋をしている孤独な男リーは、兄ジョーの急死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってくる。兄の死を悲しむ暇もなく、遺言で16歳になるおいのパトリックの後見人を引き受けた彼は、おいの面倒を見るため故郷の町に留まるうちに、自身が心を閉ざすことになった過去の悲劇と向き合うことになり…。
マット・デイモンがプロデューサー、ケイシー・アフレックが主演を務め、数々の映画賞を席巻した人間ドラマ。ボストン郊外で暮らす便利屋が兄が亡くなったのを機に帰郷し、16歳のおいの世話をしつつ自身が抱える過去のトラウマと向き合う姿が描かれる。メガホンを取るのは、『ギャング・オブ・ニューヨーク』などの脚本を担当してきたケネス・ロナーガン。共演には『ブルーバレンタイン』などのミシェル・ウィリアムズ、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などのカイル・チャンドラーらが名を連ねる。

本年度アカデミー賞で主演男優賞、脚本賞に輝いた本作。兄が亡くなった事を機に故郷の町に帰り、甥の世話をしながら過去のトラウマを向き合おうとする男の姿を描いた物語です。トラウマを抱える人間たちの不器用ながらも前を向いて生きていこうとする姿がとても良かったです。「乗り越えられない…」劇中で一言、リーが言います。乗り越えられなくてもいいのかもしれない。乗り越えなくてもいいのかもしれない。後悔だったり、痛みや辛さを抱えながらでも日々を懸命に生きていくことが本当は大切なのかもしれない。マンチェスター・バイ・ザ・シーの凍えるような寒さと重なって、リーやパトリックの痛みがよく伝わってくる。パトリックが突然号泣する姿はピンと張っていた糸が切れた瞬間だったのだろう。誰が悪いわけでもない。自分を責めたって誰かを責めたって過去を変える事なんて出来ない。何があっても死んではいけない。生きていかなければいけない。僕自身も似たような経験があるので共感しました。静かで重くて暗い映画ですが、よく考えると深いテーマが詰まった作品だと気付かされます。最後には微かな光が見えました。でも淡々とし過ぎていて同じような展開が多いので137分はちょっと長く感じました。リーとパトリックは本当の親子にはなれない。けれど最後は親子以上に2人の絆は強くて切れないものになったと思います。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)

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