股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

手紙

2006年11月26日 23時47分51秒 | 映画評論タ行
製作年 : 2006年
製作国 : 日本
2006年11月3日公開
監督 : 生野慈朗
原作 : 東野圭吾
出演 : 山田孝之,玉山鉄二,沢尻エリカ,吹石一恵,尾上寛之
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工場で働く20歳の武島直貴は、職場の人間ともまるで打ち解けず、人目を避けるように暮らしていた。それというのも唯一の家族である兄・剛志が、直貴の学費欲しさに盗みに入った邸宅で老婆を殺してしまったからだった。兄が罪を犯したのは、自分のせいだ。そう自責する直貴は、せめてもの償いにと服役中の兄から届く手紙に丁寧な返事を書き続けていた。そんなある日、更生した元服役囚と出会った直貴は、一度はあきらめたお笑い芸人の夢に再び挑戦しようと決意する。
06年直木賞を受賞した東野圭吾の社会派小説を、「3年B組金八先生」や「愛していると言ってくれ」など数々のヒットドラマを手掛けてきた生野慈朗が映画化。01年夏から02年秋まで朝日新聞日曜版で連載された原作は、犯罪者の家族に突き付けられる厳しい現実という衝撃的で重いテーマが、大きな反響を呼んだ。出演は、兄が殺人者だという現実にもがき苦しむ主人公に山田孝之、弟を思うあまり強盗殺人を犯してしまった兄に玉山鉄二、そして主人公に大きな愛を傾ける工場の同僚役に沢尻エリカと、まさに若手実力派揃い。「手紙」の原作本は読みました。東野圭吾の本の実写作品って今まで何本か観てきたけど、どれも微妙な作品ばかりでした。しかし今回はホントに素晴らしかった!!そして主演はこういう心に闇を持つ青年を演じさせたらピカイチの山田孝之!彼は原作本からそのまま出てきたような期待通りの加害者家族の青年を見事に演じきっていました次に殺人者の兄役の玉山鉄二。映画の中ではあまり登場シーンが少なく、声だけのシーンの方が印象的でしたが、弟を想う兄にハマり役だったと想います。そして由美子役の沢尻エリカ。彼女は今年5本目の映画出演(間宮兄弟、シュガー&スパイス、オトシモノ、天使の卵)ですがどれも評価も興行収入もパっとしない作品ばかりでした。しかし今回は作品にも恵まれ、なおかつ由美子という女性をうまく演じていたと想います!でも最初の工場で働いてる姿はちょっと暗めの女性って感じで良かったけど、Barのシーンから綺麗になりすぎてて、ちょっと原作本とギャップがあったような気がしますまぁ監督も言ってたように沢尻エリカってどうやっても可愛いく見れちゃうからね
さて肝心の内容ですが、話のテンポもすごく良かったと思います。原作本から大事な部分を上手く抜き取っているから、原作本を読んでない人も十分楽しめるし、読んだ人でも「えっ、ここはちょっとなぁ…」って気分にもなりませんよ♪まぁ原作本ではミュージシャンって設定が映画では漫才に代わってたけどそれは全然気になりませんでしたよ視点は加害者家族の目線で描かれていて加害者家族が持つ「罪」に対する苦悩が伝わってきました。最近の事件じゃ被害者より加害者の方が法で守られるのが現状ですが、加害者家族の苦しみもこの作品で感じましたたしかに加害者家族は何も悪くない。しかし社長の言うとおり、「キミは差別されて当たり前なんだよ」という言葉に納得できた。でもその後の「ここからまた始めればいいじゃないか」よいう言葉に感動しました。「手紙ってメチャ大事やねん。命みたいに大事な時あんねんで」という由美子の言葉にもすごく胸が熱くなりましたよ。ラストの漫才のシーンはネタは面白くて笑えるはずなのに何故か自分は号泣していましたぁ…。それだけこの作品は“兄弟愛”や“家族愛”の大切さを教えてくれる作品なのです。クライマックスで子供を出すのはズルいなぁ(笑)だってあんなシーン見たら号泣しちゃうし実際かなり泣いてたしそして直貴の「しょうがないですよね、もう血繋がってますしね」っていう言葉に号泣。そして極めつけは小田和正の「言葉にできない」。あれはもう作品と合い過ぎててまた泣いちゃったしラスト数分で何回胸が熱くなったか分かりません…。
罪を犯す、罪を償うとは何なのかという事をこの作品は教えてくれます。もし自分が加害者家族、もしくは加害者家族である人と結婚したら、世の中の差別の目からも耐えられるのかと言われると、自信ありませんでもこの作品の主人公のようにどんな事があっても逃げずに家族を守っていこうと思います。最近ではいじめでたくさんの若者が自殺していっている暗い世の中になってますが、誰が観ても“命”の大切さを改めて知ることができるので劇場でぜひ見てください!

この作品の評価・・・・92点

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