股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

アメリカン・スナイパー

2015年02月23日 01時49分08秒 | 映画評論ア行
製作年:2014年
製作国:アメリカ
日本公開:2015年2月21日
監督:クリント・イーストウッド
出演:ブラッドリー・クーパー,シエナ・ミラー,ルーク・グライムス,ジェイク・マクドーマン
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イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル。スナイパーである彼は、「誰一人残さない」というネイビーシールズのモットーに従うようにして仲間たちを徹底的に援護する。人並み外れた狙撃の精度からレジェンドと称されるが、その一方で反乱軍に賞金を懸けられてしまう。故郷に残した家族を思いながら、スコープをのぞき、引き金を引き、敵の命を奪っていくクリス。4回にわたってイラクに送られた彼は、心に深い傷を負ってしまう。
アメリカ軍で最も強い狙撃手と呼ばれた、クリス・カイルの自叙伝を実写化したドラマ。アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ所属のスナイパーであった彼が、イラク戦争で数々の戦果を挙げながらも心に傷を負っていくさまを見つめる。メガホンを取るのは、『ミリオンダラー・ベイビー』などのクリント・イーストウッド。『世界にひとつのプレイブック』などのブラッドリー・クーパーが主演を務め、プロデューサーとしても名を連ねている。戦争とは何かを問うテーマに加え、壮絶な戦闘描写も見もの。

大ファンであるクリント・イーストウッド監督の最新作。正直、最近の監督作品(ヒア アフター,J・エドガー,ジャージー・ボーイズ)は良かったとまでは言えなかった。しかし本作「アメリカン・スナイパー」はイーストウッド監督らしい作品に仕上がっていました♪この撮影の為に主演のブラッドリー・クーパーは20㎏も体重を増やしたそうだ。

アメリカ軍で160人もの人間を殺し、史上最強の狙撃手と言われたクリス・カイルの生涯を描いた本作。祖国を守るために、家族を守るために戦場で女性、子供も関係なく殺し続けるクリスですが、徐々に彼の心の中で苦悩と葛藤が出てきます。戦場から帰ってきた人は人格が変わるほど苦しむそうですが、クリスもその一人…。“英雄”“伝説”と言われることに苦しむクリス。何故戦争をしなければいけないのか…。戦争は絶対に悪いことがだと誰もが分かっていても、何故戦争が世界から無くならないのか…。やられたらやり返すことが本当に正しいことなのか…。イーストウッド監督は“戦争は悪いことだ”という描き方をしているのではなく、あくまでクリス・カイルという1人の人間を軸に置いて描いている。だからこそ、“戦争”“命の重さ”そして“家族”の意味を観客に問いかける作品に仕上がっています。オープニングからエンディングまで緊張感がずっと続きます。戦場でのシーンもリアルに描かれており、特に子供の殺害シーンは本当に恐ろしかったです。いつものようにアメリカ側から見た戦争を描いているので、敵側から見た戦争やその家族を描いていればもっと良かったかなと思います。それとPTSDの描写が薄かったので、クリスの心情に共感しづらかったのも残念。
観終わったあとで“あぁ~感動した!”とか“あぁ~良かった!”と単純に思えない作品です。世界で今、この現実が起きていることを知るために今だからこそ観るべき作品だと思います。エンドロールの無音は…観客に“黙祷”と“考えさせる時間”を与えてくれたのかもしれません。

この作品の評価・・・・★★★★★★★★☆☆
コメント
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