製作年 : 2006年
製作国 : 日本
2006年12月1日公開
監督 : 山田洋次
原作 : 藤沢周平
出演 : 木村拓哉,檀れい,笹野高史,桃井かおり,坂東三津五郎,緒形拳
official site
三村新之丞は、近習組に勤める下級武士。毒見役という役目に嫌気がさしながらも、美しい妻・加世と中間の徳平と平和な毎日を送っていた。ある日、毒見の後、新之丞は激しい腹痛に襲われる。あやうく一命はとりとめたが、高熱にうなされ、意識を取り戻した時は、視力を失っていた。人の世話なしで生きられなくなった自分を恥じ、一度は命を絶とうとしたが、加世と徳平のために思い留まった。ある日、加世が外で男と密会しているという噂を聞く。新之丞は徳平に尾行をさせ、加世が番頭・島田と密会していることを知る……。
『たそがれ清兵衛』、『隠し剣 鬼の爪』に続く、山田時代劇三部作。原作は藤沢周平の隠し剣シリーズ第2作である『隠し剣秋風抄』の「盲目剣谺返し」。最終作となる本作では、主演の三村新之丞役に木村拓哉を迎えた。常に“最高以上”を求める山田演出が冴える。この三部作が「新しい時代劇」と呼ばれるのは、時代劇でありながら、現代にも通じる人々の心情が丁寧に描かれているからだろう。本作も、「平等」や「個性の尊重」など、社会へのメッセージがセリフの端々にちりばめられている。音楽を担当するのは、山田組にかかせない存在となった富田勲。音を大切にする山田監督だが、新之丞が耳が頼りであるため、特にこだわったようである。
『たそがれ清兵衛』、『隠し剣 鬼の爪』両方とも観ずにいきなり最終作となる本作を鑑賞。感想を一言で言うと予想していたより2時間たっぷり楽しめました!キムタクが出てるからとか、そういうのは関係なく若い人でも十分に山田洋次ワールドを楽しめると思います♪わかりやすいストーリー展開の途中で数回笑ってしまうようなシーンもあり、“時代劇”という印象は全く感じられませんでした。今回の作品の中で一番の注目はやはり主演のキムタク。テレビでは出るドラマ全てが高視聴率を叩き出す彼ですが、その理由はたぶん彼の演技力しかしそれは現代を描いたドラマだからこそ彼の今風の喋り方などが通用するのであって、時代劇となると話は別。やっぱり武士の格好をしていたとしても、彼の独特の喋り方は同じでした笹野高史は“さすがベテラン!”って思うくらい時代劇っぽいゆっくりとした喋り方でしたが、キムタクの喋り方は今風の若者で、なおかつ喋るスピードが速いでも中盤からはそんな演技にも慣れてきて、山田監督が言ってたように“目の力”というものが光っていて良かったと思います。とくに離縁を求めるシーンの時に新之丞が加世を見る目はホントに“目の力”というものを感じたし、キムタクってやっぱすげぇなって思いました(笑)キムタクの絶妙な演技力をカバーしていたのは脇を固める俳優陣。笹野高史はもちろん上手いし、妻役の壇れいも文句無し。そして個人的に一番上手いと思ったのはおばさん役の桃井かおり。この人の憎めない演技には圧倒されました。一見退屈そうに感じる下級武士夫婦の愛の物語をこんなにも見事に描ききった山田洋次監督に拍手を送ります
この作品の評価・・・・88点
製作国 : 日本
2006年12月1日公開
監督 : 山田洋次
原作 : 藤沢周平
出演 : 木村拓哉,檀れい,笹野高史,桃井かおり,坂東三津五郎,緒形拳
official site
三村新之丞は、近習組に勤める下級武士。毒見役という役目に嫌気がさしながらも、美しい妻・加世と中間の徳平と平和な毎日を送っていた。ある日、毒見の後、新之丞は激しい腹痛に襲われる。あやうく一命はとりとめたが、高熱にうなされ、意識を取り戻した時は、視力を失っていた。人の世話なしで生きられなくなった自分を恥じ、一度は命を絶とうとしたが、加世と徳平のために思い留まった。ある日、加世が外で男と密会しているという噂を聞く。新之丞は徳平に尾行をさせ、加世が番頭・島田と密会していることを知る……。
『たそがれ清兵衛』、『隠し剣 鬼の爪』に続く、山田時代劇三部作。原作は藤沢周平の隠し剣シリーズ第2作である『隠し剣秋風抄』の「盲目剣谺返し」。最終作となる本作では、主演の三村新之丞役に木村拓哉を迎えた。常に“最高以上”を求める山田演出が冴える。この三部作が「新しい時代劇」と呼ばれるのは、時代劇でありながら、現代にも通じる人々の心情が丁寧に描かれているからだろう。本作も、「平等」や「個性の尊重」など、社会へのメッセージがセリフの端々にちりばめられている。音楽を担当するのは、山田組にかかせない存在となった富田勲。音を大切にする山田監督だが、新之丞が耳が頼りであるため、特にこだわったようである。
『たそがれ清兵衛』、『隠し剣 鬼の爪』両方とも観ずにいきなり最終作となる本作を鑑賞。感想を一言で言うと予想していたより2時間たっぷり楽しめました!キムタクが出てるからとか、そういうのは関係なく若い人でも十分に山田洋次ワールドを楽しめると思います♪わかりやすいストーリー展開の途中で数回笑ってしまうようなシーンもあり、“時代劇”という印象は全く感じられませんでした。今回の作品の中で一番の注目はやはり主演のキムタク。テレビでは出るドラマ全てが高視聴率を叩き出す彼ですが、その理由はたぶん彼の演技力しかしそれは現代を描いたドラマだからこそ彼の今風の喋り方などが通用するのであって、時代劇となると話は別。やっぱり武士の格好をしていたとしても、彼の独特の喋り方は同じでした笹野高史は“さすがベテラン!”って思うくらい時代劇っぽいゆっくりとした喋り方でしたが、キムタクの喋り方は今風の若者で、なおかつ喋るスピードが速いでも中盤からはそんな演技にも慣れてきて、山田監督が言ってたように“目の力”というものが光っていて良かったと思います。とくに離縁を求めるシーンの時に新之丞が加世を見る目はホントに“目の力”というものを感じたし、キムタクってやっぱすげぇなって思いました(笑)キムタクの絶妙な演技力をカバーしていたのは脇を固める俳優陣。笹野高史はもちろん上手いし、妻役の壇れいも文句無し。そして個人的に一番上手いと思ったのはおばさん役の桃井かおり。この人の憎めない演技には圧倒されました。一見退屈そうに感じる下級武士夫婦の愛の物語をこんなにも見事に描ききった山田洋次監督に拍手を送ります
この作品の評価・・・・88点