梅雨は明けていないのに、今日も猛暑!
家中に熱気がこもるので、在宅の日は、あちこちの窓を開ける。
裏庭から入る風に、風鈴が鳴る。
昨年、洋服を買ったお店が、くれた風鈴。
特別風情があるわけでもない。
だが、音色は涼やかだ。
暑気を少しはやわらげてくれる。
一大決意して、今日から書斎の片づけをすることにした。
片付かないこと、片付ける気にならないこと、
それが、私を脅迫し続ける……。
心の平穏をかき乱す。
乱雑さに安住もできず、
かといって、几帳面に処理することもできず。
草取りのように、人手にゆだねることはできず。
書斎は私の城なのだから。
先日、母子ともにお世話になった知人が来て、
「奥様は、いつも綺麗に整理整頓なさっていましたが……」
と、言った。奥様とは、私の母のことだ。
私も自覚している。
母のようには、うまくゆかない、と。
「父に似てしまって」
と、言い分けする。
片付け下手は、父からの贈り物。
ビデオテープが、夥しくたまっている。幾年も見ることなく。
片付けの手始めに、一々点検もせず、袋に詰めた。
埋め立てゴミの収集日に備えて。
それでも三つ四つ、
捨てがたくなって、元の位置に返した。
こうして愛着の品がたまりすぎ、身動きできなるのだと分かっていながら。
本来無一物の境地に生きたいが、
なかなか難しい。
本だけが財産、と買い込んだ本が書棚をはみ出して溢れ、
今は身動きできなくなっている。
物置場と化した書斎を、
書斎として使えるように片付けよう。
秋には、明窓浄机を居場所にして、
本が読めるように。
片付けるとは、思い切って捨てることだと心得て。
風鈴の音が心地よく聞ける間に。
秋が訪れる前に。
ビデオテープの片付けほど、簡単ではないが、
手をつけなければ、永久に片付かないのだから。
「きちんと整理することを、
子供のとき、
ちゃんと教えてあげたはずだけどねえ」
遠くから、母の嘆きの声が聞こえる。
今日は、母の祥月命日。
家中に熱気がこもるので、在宅の日は、あちこちの窓を開ける。
裏庭から入る風に、風鈴が鳴る。
昨年、洋服を買ったお店が、くれた風鈴。
特別風情があるわけでもない。
だが、音色は涼やかだ。
暑気を少しはやわらげてくれる。
一大決意して、今日から書斎の片づけをすることにした。
片付かないこと、片付ける気にならないこと、
それが、私を脅迫し続ける……。
心の平穏をかき乱す。
乱雑さに安住もできず、
かといって、几帳面に処理することもできず。
草取りのように、人手にゆだねることはできず。
書斎は私の城なのだから。
先日、母子ともにお世話になった知人が来て、
「奥様は、いつも綺麗に整理整頓なさっていましたが……」
と、言った。奥様とは、私の母のことだ。
私も自覚している。
母のようには、うまくゆかない、と。
「父に似てしまって」
と、言い分けする。
片付け下手は、父からの贈り物。
ビデオテープが、夥しくたまっている。幾年も見ることなく。
片付けの手始めに、一々点検もせず、袋に詰めた。
埋め立てゴミの収集日に備えて。
それでも三つ四つ、
捨てがたくなって、元の位置に返した。
こうして愛着の品がたまりすぎ、身動きできなるのだと分かっていながら。
本来無一物の境地に生きたいが、
なかなか難しい。
本だけが財産、と買い込んだ本が書棚をはみ出して溢れ、
今は身動きできなくなっている。
物置場と化した書斎を、
書斎として使えるように片付けよう。
秋には、明窓浄机を居場所にして、
本が読めるように。
片付けるとは、思い切って捨てることだと心得て。
風鈴の音が心地よく聞ける間に。
秋が訪れる前に。
ビデオテープの片付けほど、簡単ではないが、
手をつけなければ、永久に片付かないのだから。
「きちんと整理することを、
子供のとき、
ちゃんと教えてあげたはずだけどねえ」
遠くから、母の嘆きの声が聞こえる。
今日は、母の祥月命日。
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