訪ねた知人のTさん宅で、夏ツバキの蕾を眺めたり、屋敷内の草花について話したりしていると、飼い猫もニャンニャン鳴いて、出迎えてくれた。本当は、私の来訪などどうでもよく、飼い主のTさんに、「あたし、ここにいるんだよ」と話しかけただけだったのだろうけれど。
なかなか毛並みの美しい、見目麗しい猫ちゃんだ。
名前はと聞くと、「オークレ」とのこと。その名の由来は、子猫のときも、母猫になってからも、とかく、することなすことが幼稚で、他に比べ<遅れ>ていたことから、少々揶揄的に、<遅れ><オークレ>となったらしい。
今は、立派な一人前の猫ちゃんである。
しかし、もうかなりのお年らしく、目が薄くなっているとのことだ。が、一見したところ、そんなふうには見えなかった。
私もTさんに倣って、「オークレ、オークレ」と呼んでみたが、近づこうとはしなかった。かといって逃げ出すでもなく、不即不離を保っている。
Tさんが、好物の炒り子をもってきてくださった。
炒り子で釣ると、やっと近づいてくれ、カメラに収めることもできた。
オークレには特技があるのだそうだ。
Tさんの子守唄を聞くと、腕の中で、目がとろんとなり、やがてすやすや眠るらしい。
今日は、得意技を見せてくれなかった。
「このおばちゃんの前では、だめ、だめ」
と、言いたげであった。初対面なので、緊張していたのかもしれない。
やがてどこへともなく姿を消していた。あの気ままさが、猫のいいところだ。
開花した夏ツバキを眺め、猫と遊び、お土産に蜆までもらって、帰ってきた。
早速、朝食は蜆汁。その美味だったこと、なにか訳ある特選の蜆だったのだろうか?
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