
3月14日、ティファニー庭園美術館から、再びレイクラインに乗って、島根県立美術館へ向かった。
館内のレストランで、昼食をとっていると、妹がやってきた。
美術館の会員である妹夫婦と一緒に入場すれば、半額の割引サービスがあるという。
私は、草花舎で、無料の入場券をいただいていたので、友達分を半額にしてもらい、それを仲良く割り勘して、250円ずつ出し合った。
今回は、足立美術館は無料で入れたし、県立美術館もただ同然であったし、随分安上がりの美術館巡りであった。
ルソーの絵に出合えることを前々から楽しみにしていた。
アンリ・ルソー(1844~1910)については、詳しいことを知っているわけではない。感覚的に気に入っている画家ということだけで、楽しみにしていたのだ。
いささかがっかりだったのは、ルソーの展示作品数が非常に少なかったことである。
4部構成で展示が行われ、その第一部「ルソーの見た夢」の会場には、ルソーの絵画が、14、5点、並べられているだけだった。
私が過剰な期待をしていただけで、今回の展覧会は、「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」であり、ウェイトはむしろ、後者<ルソーに見る夢>に置かれているのかと思われた。
数少ない作品群ではあったが、それでもルソーの世界に触れて、どこか幻想的で、夢見るような世界に浸ることができた。
写真は、「エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望」である。
濃い朱色の夕景、孤独に佇む人の後ろ姿。明るい色彩でありながら、妙にもの悲しい絵でもある。
第二部「素朴派たちの夢」には、私にとって、なじみのない画家の絵が展示されていた。
アンドレ・ボーシャン、カミーユ・ボンボワ、ルイ・ヴィヴァンなど。
第三部は、「ルソーに見る夢―日本近代美術家たちとルソー」。
第四部は、「現代のルソー像」。
三部、四部に展示された絵画や写真には、ルーソーと響きあうものを感じながら、面白く眺めた。
洋画家の藤田嗣治、岡鹿之助、小出樽重、三岸好太郎、松本俊介、等など。
日本画家の土田麦僊、小野竹喬、加山又造、等など。
写真家の植田正治など。
第四部に登場する横尾忠則、有元利夫など。
こうした人たちの名画を観ることができたのは予想外のことであり、改めてルソーとの関連性を考えながら観てゆくのは、楽しかった。しかも、これら日本の近代美術家たちが、如何にルソーに触発されてきたかが分かり、アンリ・ルソーという画家の、その存在の大きさにも驚かされた。
一昨年の夏、大山の近くにある「植田正治美術館」を妹たちと訪れた日のことも思い出し、その折には感じなかった、写真家、植田正治のルソーに通じる一面を改めて見直した。
有元利夫展も、かつて観たことがある。が、その時も、ルソーとの接点など、考えても見なかったのだが……。
近く、有元利夫展が開催される様子、これも楽しみである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます