ぶらぶら人生

心の呟き

2月の散歩(大サボテンを目指して)

2020-02-08 | 散歩道
 4日に施設へ戻って以来、一度も地面を歩いていない。
 踏み台(運動用)をせっかく持参しているのだし、一日に1、2回でも、上下運動ぐらいすばいいのだが、あまり好きでもないことをするのは苦手である。
 じっと椅子に座って、本ばかり読んでいる。
 自分にとって楽しいことしかしないのは、体によくないことだと分かりながら。

 散歩は好きな方である。スマホで天気の成り行きを確かめると、曇りで気温8℃と出ている。
 4階から見下ろしたところ、木々の戦ぎも静かである。

 目的地を少し距離のある大サボテンのある庭までと定めて、家並みの道を歩き始めた。
 海が荒れているのだろう。どこを歩いていても、海鳴りが聞こえてくる。
 今日も鶯の声を聞けるかと楽しみにしていたのに、中空を騒ぎ立てて飛んでいるのは鵯だけである。

 サボテンの実は、一つ落ちているだけであった。
 庭はきれいに手入れされ、落ちた実はサボテン鉢の中に置かれていた。
 サボテン以外でも、花を楽しめる庭なのだが、今は勢いの乏しいバラが密やかに咲いているだけであった。

  

 
 サボテンの実のなり具合。

 昨年、ここへ来れば土筆の坊やに会えるのだ、と記憶しておいた場所にも行ってみた。
 が、全く姿が見えなかった。
 毎春、10センチくらいに伸びてから、アッと気づく。
 大地に1、2センチのぞいたくらいの、生まれ出たばかりの土筆の赤ちゃんを見てみたい。
 今日も、宝物でも探すかのように、枯れ草に目を凝らしたが、見つけられなかった。
 大地の本格的な目覚めは、もう少し先なのだろうか。

 そのまま帰ったのでは、少し歩き足りない気がして、高津川の川沿いを歩いた。鴨川大橋に向かって。車一台は走れるほどの歩道が、川に沿って続いている。
 
 
 歩道横の草はみな刈り取られ、蕭条とした枯れ色である。

 季節外れの花(例えばアザミの蕾など)の開花具合を楽しみにしていても、知らないうちに、草刈機で無惨に片づけられている。私の楽しみも、一緒に刈り取られて。

 
 鴨島大橋と川の流れ。

 今日も、川鵜は群れて、休んでいた。
 どんな思惑があるのやら? 鳥の気持ちは全くわからない。
 楽しいのやら悲しいのやら、どんな目的があるのかないのか、気にする私を全く無視して、ほぼ同じ方向を向いて、羽を休めている。

 
 川鵜のいる岩場。

 河畔を散歩し始めて、急に寒さがひどくなった。風が出てきた。
 工場の一本の煙突から出る煙が、大きく東の方に靡いている。
 久々に、冬の寒気に触れた感触であった。
 でも、こういう寒冷が嫌いではない。猛暑は苦手だが、厳寒は心身が引き締まり、老いの身も、奮い立たされる感じである。

 途中に、自治会で育てておられる花壇がある。
 1月に咲いていた花は片づけられ、きれいに耕されていた。
 今咲いているのは、白菊系統の一種だけであった。
 清楚で可憐だが、寒さに強うそうな花である。

 

 

 総計、4500歩の散歩であった。
 体を動かすと、心も蘇る。


 夕方5時半、窓辺に立って、一部茜色に染まる雲を眺めていると、雲間から夕月が現れた。
 しかし、須臾の喜びであった。たちまち厚い雲の中に隠れてしまった。(明日が15夜)

 

 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『弱いから折れないのさ』 | トップ | 海岸散歩 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿