ぶらぶら人生

心の呟き

新しい水準点

2007-01-22 | 散歩道
 昨年の11月21日のブログに、「水準点 3」の記事を投稿した。
 友人にいただいた地図から割り出して、二つ目の水準点を見つけた日の喜びを記した。
 ところが、昨年の暮れ、友人から、その水準点がなくなっていることを知らされた。そんなことがあるのだろうかと思いながら、その地点に出かけてみると、本当に忽然と消えていた。
 「水準点」と記された標識も、石組みに囲まれた、肝心な水準点そのものも、きれいさっぱりなくなって、1メートル四方にコールタールが塗られ更地になっていた。
 どういうことなのだろう?
 疑問を抱きながら、そのままにしていた。

 一昨日、町からの帰り、バスの車窓からぼんやり外を眺めていたところ、新たな場所に、「水準点」の標識があるのに気づいた。消えた「水準点」が、移されたのだろうか?
 およその位置を確認し、機会を見て出かけてみようと思った。

 昨日の朝、そうだ、散歩道を変更して前日見つけた「水準点」を見てこよう、そう思い立ち、いつもとは逆の方向に向かって歩いた。バスの停留所で数えれば五つ先である。朝の散歩を始めて、多少健脚になっているとはいえ、果たして往復できるだろうかと気になったので、バスカードをポケットに入れて出た。

 平素歩かない道には、それなりの面白さがある。ただ、車の多い九号線沿いなので、歩道を歩いていても、のんびりとはできない。それでも軒先の表札を確かめたり、大樹に出会うと、佇んで眺めたりした。
 目的地には、思いのほか楽に行きつけた。
 10メートルほど行過ぎたところで、目的物を通り過ぎてしまったことに気づき、引き返した。歩道の傍にある溝を隔てた、その向こうにある小さな空き地に、「水準点」の標識が立てられていた。すぐ地面を見渡した。だが、肝心な水準点がない。
 がっかりした。
 私の想像だが、標識だけが先に引っ越して、水準点の設置工事が遅れているのではあるまいか。折角、遠路を歩いてきたのにと残念だったが、平素より、心身が余計に鍛錬できたのだと思うことにした。
 いつも歩く距離より、かなり長かった。
 少し疲れはしたが、バスに乗ることはしなかった。

 歩いてみて分かったが、九号線は、意外に上り下りの勾配がきびしい。やはり散歩道にはふさわしくないと思った。
 が、今日は付録の喜びとして、鶯の初音を聞いた。結構確かな鳴き方をしていた。人里に小鳥がやってくる時期になったのだろうか。
 家に帰り着いて、庭を歩いていると、鳥影が視界をよぎった。羽を休めたのは椿の木だった。何鳥だろう? と、抜き足で近づくと、その枝に二羽のホオジロがいた。敏感に私の気配を感じて、すぐ飛び立ってしまったけれど。
 庭にも、小鳥たちの訪れるシーズンになったようだ。
 早速、リンゴを木の枝にぶら下げてみたが、餌を啄ばみに来てくれるだろうか。
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