兎を飼った時のこと

2012-11-13 08:04:24 | 昔話
 小学生の4・5年生の頃に犬を飼ってみたいと思ったことがある。 でも家族みんなの残飯が母親の主食の一部になっていたような貧しい家だったからか「犬を飼うのはダメだ」と言われた。 それでどうしたかと言えば、餌となる草を自分で採って来て自分で面倒を見る事を条件にして、縁日の店先で売っていた小さな白い兎を飼い始めた。 当時はリンゴの輸送に木箱が使われていた時代でそれの開口部に金網を張ったものが兎の飼育小屋となりました、 もちろん自作ですよ。

 約束通りに毎日餌となる野草を近所の河原から採取してきて食べさせました。 そして日数が過ぎると当初は手のひらに入るほど小さく可愛かった兎も当然大きくなってきて、 食べる餌の量も増え、小さな丸い粒々の排泄物の量も増えて行きました。 そして僕の心に「世話を続けるのが面倒臭い」そんな考えが湧きだして・・・ 暫くするとうさぎ小屋から兎の姿が消えました。 なんだか鶏を絞め殺したりする作業を手際よくやってくれる他所のオジさんに売ってしまったか、肉にしてもらって我が家の食費の足しになってしまったらしいです。 飼育の面倒くささが心に芽生えていた僕は家族に「兎をどうした?」なんて野暮な追求はしませんでした。 それ以来 ”犬や猫を飼いたい!” そんな気持ちは僕の心に湧いて来なくなりました。
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