ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

〝妻、小学生になる。〟 12巻

2022-08-07 02:36:59 | 日記
勿論、買いましたよ。
但しネット購入なので、届いたのは発売日翌日の7月15日。 何度も読み返していて、書くのが遅くなってしまった 。。。


今回は言葉が多く、その分、TVドラマにはない〝心理描写〟が深く豊かに展開されています。

そして、途中から千嘉のように描かれていた生前の貴恵の顔が、元々の姿に戻りつつあります。


「この体は万理華に返さなきゃいけない 大好きな家族と離れたくないけど それが万理華の体を奪ってもいい理由にはならない 私が万理華の体に残り続ける未練……圭介への心配」と苦悶し、「万理華が帰ってきたとき ちゃんと迎えてあげられるようにしておこうって」と万理華の母親 千嘉に言う万理華になった貴恵。

「貴恵さん…わかってないはずないでしょ 万理華に体を戻す…その意味……」と心の中で呟く万理華の母親 千嘉。


蓮司の祖母に「あんたが本当に奥さんにとっても最愛の夫ならなおさら 死んだ奥さんにまで甘えた奇跡を望むなどとこれ以上苦しめないでほしいね」と言われても、千嘉に頼んで思いっきり平手打ちしてもらっても尚、万理華の身体を借りて貴恵が帰って来た奇跡を大切にしたいと思い、それでも、忙しい仕事に自ら志願して心を紛らわしながら、様々な登場人物から影響を受けることで貴恵と同様に心を決めていくが、やや考え方がチグハグで、貴恵ともぎこちなくなってしまう圭介。


91話における圭介と貴恵との接点、かつて仕事をしていた貴恵が圭介の企画を様々な面で後押しする姿、急に仕事先との会食が入って食べられなかった自作弁当を、仕事が忙しくて朝から食べていなかった圭介が「嬉しいなあ…本当に嬉しい……幸せだ」と食べるシーン、そしてそのラストで「いつも作ってもらってた弁当 これからはもう作らなくていいぞ」と言葉にした圭介、これを受けた万理華になった貴恵の心情を考えると切ない。


「その人を愛しているから その人が 消えるかもしれないことをする……」残酷さ。


そして、いよいよ打ち明けた「もう貴恵を…拒絶するしかない…距離を置いて置き続けて…貴恵が戻ってこなかったように生活する…」という策を、好美に「間違っている」と注意される圭介。




最終頁に書かれた好美の提案がどのようなものなのか、このチグハグさを回避して、貴恵にとっても万理華にとっても良い道になるのか、確実に最終話へと近付いていることを感じながら、13巻を待ちます。







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「美味しい」は味だけで決まらず

2022-08-06 00:02:56 | 日記
親しい知り合いを新幹線駅改札まで送った帰り道、前から気になっていた焼肉店へぶらりと立ち寄った。

自宅でかなり飲み食いした後ゆえ、ほんの興味本位である。


入った途端「いらっしゃいませ!」と明るい声。
1人であることを告げると「カウンター席へどうぞ」とのこと。

目前のカウンターは7名掛け程度。


一番狙いの右端には片付けされていない食器が置きっぱなし。
その左隣には七輪が載ったまま。

「カウンターってどこに座ったらいい?」と訊くと「真っ直ぐ前に進んでいただいてどこでもどうぞ」とのこと。

仕方なく右端に座ると、店員さんがささっと片付けて、左隣の席から七輪を移動。 七輪は臨戦態勢だったようだ。


但し、フロアに凸凹があって、腰高の椅子では倒れてしまいそう。
ということで、左隣の席に移動すると、店員さんは笑顔で七輪を戻してくれた。

いざ、オーダーで声を掛けたところ、即座にやって来て、テキパキとメモをしていく。
そして程なく、生ビールと肉が届き、明るい声と共にテーブルへ置かれた。


味は ・・・ 正直言えば、馴染みの店には及ばない。
でも美味しい。 凄く美味しい。


見れば店員さんは3名しかいない。
盛り付けメインの男性1名、飲料とフロアメインの女性2名。

一方、夕食時には遠く、未だ混んではいないものの、既に客は20名以上。
あちこちから注文の声が上がる。


それでも時間がかからない。
僕の追加注文も同様。

今度は男性がフロアへ、女性の1人が盛り付けを始めた。
そう、この店では役割分担ではなく、それぞれが臨機応変に全てをこなす「アメーバ型組織」が見事に形成されている。


お通しで出された2品の食し方が分からず呼んだり、テーブル席に運ばれた定食のご飯が漫画のように山盛りなのでサイズを尋ねたり(単なる大盛りで、その上の特盛りもあるとのこと!)しても、常に笑顔で対応する店員さん。

「網を交換します」と素手でやってのける女性店員の姿には驚いたが、明るく元気な接客のお陰で気持ち良く過ごすことが出来、結構飲み食いしてしまった。


最後に、その値段。
席まで来て会計をしてくれる方式だけど、提示された料金は予想と乖離して安い! 思わず「そんなハズはない」と言ってしまったほど。

当然レシートは出してくれるし、帰宅後には服に臭いが付いていないことに気付いた♪




「美味しい」は味だけで決まらず ・・・ そんな言葉が浮かんだ素晴らしい店でした。

唯一の不満は、ランチやディナータイムにすぐ満席になってしまうこと。
そりゃそうだろう。 人気店の条件が揃っているのだから。







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最近買ったCD(+DVD) 2022.7

2022-08-02 03:59:46 | 日記
吉田拓郎さんのラストアルバム「ah-面白かった」・・・ そこにいるのは中津川の伝説でもなく、つま恋の雄姿でもなく、それぞれの作詞家が創り上げた着せ替え人形でもない、全曲 吉田拓郎作詞・吉田拓郎作曲という「等身大の吉田拓郎さん」。

リリース日の翌日に購入したこのアルバムのライナーノーツには、1曲ずつ、拓郎さん自身の手でそれぞれへの想いが綴られていた。

このライナーノーツのお陰で、それぞれの曲のイメージが定まり、色彩を増していく。
曲によっては、読む前と全く違ったイメージになるものも。



KinKi Kids 堂本光一さん が「サイン入り」で書いたアルバムタイトルの文字。

そして DVD にはアルバムのメイキング映像の他、久々につま恋を訪れた姿や、アナログレコードジャケットのモデルにもなった、拓郎さんのファンだという 奈緒さん や、そのジャケット撮影でアートディレクターを担当した 篠原ともえさん も登場する。



リモートも駆使しながら創り上げていった収録曲は、いずれも素晴らしい作品に仕上がっている。

ファーストアルバム「青春の詩」に収録されている「雪」をセルフカバーした「雪さよなら」には小田和正さんも参加。

「当時は希望が受け入れられず、つまらないアレンジをされて悔しい思いをした」という拓郎さんにとって「雪」はこんな風に仕上げたかったのだろう。



「たくろうチャン」の最終形「Together」は勿論、「親切」「明日に向かって走れ」を彷彿とさせるイントロや「新しい朝」で使用されたコード進行が出てくるのもワクワクする。



特に「Contrast」「ah‑面白かった」はいけませんね。
何度聴いても涙ボロボロになります。

僕にも「Contrast」のような時期があったし、僕の母も「ah‑面白かった」のように亡くなった。



声はかつての拓郎さんとは違うけど、これが実像であり等身大。

自称「拓郎マニア」は物知り顔で「こんなライナーノーツは不要」「拓郎らしさが感じられない」などと、あれこれケチをつけたりするかも知れないが、それも人生だろう。





拓郎さん も奥様の 吉田佳代(森下愛子)さん も、母親に女手一つで育てられた。

アナログレコードジャケットの 奈緒さん の姿は、拓郎さん と 佳代さん の「亡き母の若かりし頃に想いを馳せイメージしたもの」だそうで、ライナーノーツのエピソードと重なって切ない 。。。





ひとは誰もが年を取り、やがて死んでいく。
2020年12月3日「かつて何度も歩いた道」というタイトルで書いた通り、僕はこう思う。

それでも、その想いは残り、引き継がれる。
ひとは遺伝子の方舟なのだから。



「ひとりぼっちは孤独とか決してそういうものではなくて、ひとりぼっちだっていうことがきっちり分かれば必ず愛のある世界に辿り着けるということが音楽と一緒にいることで理解できた」 by 吉田拓郎

拓郎さん、ありがとう、大好きです。







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