
結論から言えば 「必要」。 但し、〝クラシックを聴く頻度が高い場合〟という条件付きで。
ご存知の通り、オーケストラでは、左右両翼配置を除き、向かって左にバイオリン等の高音楽器、向かって右にはコントラバス等の低音楽器を配置させている。
つまり、Lch には高周波成分が多く、Rch には低周波成分が多いということ。 従って、それぞれを担当する左右スピーカーのエージングに偏りが出て当然なのです。
一方、スピーカー購入直後の、ホワイトノイズ等左右同一信号を使った〝強制エージング〟には熱心でありながら、その後はスピーカーを左右固定で聴き続けているクラシックファンも少なくないのでは?
勿論、聴感上の音質には設置環境が大きく影響する。 吸音を徹底した一般的なスタジオですら、直接音と反射音の割合は1対1。
よって、モノラル信号で中央定位の精緻さを試す方法では、左右のスピーカーに生じた音質差異の検証は難しい。 左右の設置環境を揃えるには、壁から出来る限り離すことだろう。
しかしながら、ただ検証のために重いスピーカーの移動は大変!
どうせ大変な作業を行うなら、いっそ「Lch と Rch とを移動して入れ替えてしまおう」ということである。
左右スピーカーの入れ替え ・・・ エージングの偏りに無頓着でいるクラシックファンにとって、それは〝パンドラの箱〟だ。 セッティング完了後は左右バランスの激変に驚くに違いない。
因みに、入れ替えは年1回で十分。 ケーブルの端末処理をせず、裸線のまま接続している方は、ワイヤーストリッパー等で新鮮な導線を剥き出す〝接点リフレッシュ〟もお忘れなく。