ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

おかえりなさい、 ブラックジャック

2019-03-04 03:31:24 | 日記
先月26日に書いた “まとめ買いした漫画” はタイトルの通り。


田舎の駅を出て右手の路地へ入ったところにあった同学年の女の子の親が経営する本屋で初めて目にした僕は当時、中学生。

「これは どろろ の現代版だ!」などと感動していた。 以降、買ったり立ち読みしたりしながら、毎号読み漁った。


当時、漫画の地位は低く、没頭している子供は親から 「馬鹿になるぞ」 と罵られ、社会人ともなれば手にすることさえ憚られた。 そんな時代、僕にとって ブラックジャック は 「愛読書」 と胸を張って公言できる初めての作品となった。


〇二〇谷〇荘に住んでいた頃から1冊、また1冊と買い揃えていったこの本を、穏やかな春の日に、眠れない深夜に、時には一人で、時には友人と、読み耽っていた。

この各巻を、大学時代。研究職時代、転職後、あのアパートで、あのテラスハウスで、そしてあの部屋で、何度読んだことだろう。 連載された内、いくつか抜けはあるものの、久々に全巻が並ぶと感慨深い。


“やけっぱちのマリア” が社会悪とされ、その圧力から1973年に倒産した虫プロは、この作品で息を吹き返し、再び大空高く羽ばたいた。 手塚治虫氏 は “天才” であると同時に “不死鳥” でもあったのだ。


かつて人事部長時代、労基法に疎い社長の提案に対し、その違法性を会議の席で真正面から指摘したことなどが仇となり、部下がいない新設部署へと左遷された際には我が身を重ね、「負けるもんか!」 と自身を奮い立たせたこともあった。

僕以外の部長連中が挙って社外研修へ出掛けるのを横目で追ったあの朝、惨めさを押し殺し、努めて明るく振る舞っていた。 「今、正しい努力は何なのか」 と常に考えながら成果を出し続け、会社役員まで務めることができたのも、この漫画のお陰かな?


今やマンガ、アニメは “世界に誇る日本の文化” として認知されたが、その礎を築いたのは間違いなく 手塚治虫氏 である。



本棚を開ければ、そこには懐かしい顔が。 おかえりなさい、 ブラックジャック。







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