会員の人がジムの壁を見て言っていた。
ここ世界地図が貼っていますね。
普通だったら壁に大きく全国制覇とかそういうたぐいの言葉が掲げられているのだろう。たぶんなぜ世界地図を貼っているんですかと言う含みも込めて行ったのだと思うが、しかしここにはそういうくだらない根性系の言葉にあわないしにあってはいない。
ただ子供や若い人にグローバルな視点を持ってほしいと言う願いで、一応子供でもわかるように子供向けの世界地図を貼っているのだが、グローバル社会で学力重視の時代に、いくらボクシングで全国制覇しても、勉強を無視して生きていたら。頭の中身は淡路島も制覇できないだろう。
たぶん今運動系がはやらなくなってきているのは、やくざ社会とおなじである。暴力団を取り締まる法律が改正されやくざの世界も力だけでは生き残れないように、社会も企業などで英語が共通語になりつつある今は、いくら根性があるとか気持ちが強いということを強調しても学力をのばさなくては通用しない、そういう時代になって来ているのだと思う。
話しは礼儀の話しになるが、朝鮮の伝統的なあいさつにペッコプインサというあいさつの仕方がある。
正式名は忘れたが俗名ペッコプインサ「おへそのあいさつ」一般的にはしばしば行われているあいさつではないが、しかし小学校から中学校ぐらいまでは、道徳の時間に先生から教えられる両親など敬愛する人に対して行われる非常におくゆかしい伝統的なあいさつの仕方である。
あいさつの仕方ははっきりとはおぼえていないが、男は左手を上、そして女性は右手を上にして、その手をへその上においてふかぶかとお辞儀をするのだが、おそらくそれは民俗村などに行くとひんぱんにみられるのだろうが、しかし今では一般的ではなくなりつつあるお辞儀の仕方である。
おそらく日本にもこういうあいさつの仕方があると思うのだが、正直あいさつというのはおくゆかしいほうがいいと思う。
私もハワイで韓国人の女性からパーティの帰りにありがとうという意味で、このお辞儀をされた時なつかしさがこみあげ、その女性に対しておくゆかしさを感じ、思わずかしこまってしまったほどである。
私が思うに運動系の奴らの罪は、敬語とあいさつを冒涜したことである。
彼ら彼女らは敬語やあいさつを正しい言葉や姿勢を重んじるよりも、服従と気合いを重んじとにかく間違ったあいさつの仕方でも先輩に気にいられれば礼儀正しい奴とみなされるが、彼らが使う言葉はかなり乱暴であるし、根本的に間違っている。
チワーッス、アアシタというのは何なのか?
ありがとうございましたと言っているのだろうが、私にはアアトアシタとしか聞こえない。
別に敬語を使おうと使わないと勝手なのだが、問題は言葉を冒涜していること。
中にはこういう間違ったことばを教えておいて、礼儀やあいさつにこだわる顧問や責任者がいるが、しかしそいつらが正しい敬語や正しい言葉を使っているか疑問である。
それは外部からの電話の応対を見ていたらわかると思うのだが、そういうことにこだわるのならきちんと敬語が使えているのだろうか?よく見てやればいいと思う。
前にも言ったが礼儀が正しいと言うことは、私は日本語や言葉を正しく使うと言うことと深く関係していると思う。
日本語と言うのは正しく使おうとすればするほど相手の立場や、相手の気持ちを慮るものである。
遠慮と言う言葉は日本語独特の言葉であるが、これは言葉にも表れていて、敬語と言うのはある意味相手を自分より少し距離を置くことでなりたつ遠慮のようなものだと思っている。
この距離感と言うのは英語でも韓国語でも相手に対する尊重を意味する。
例えば「What was your name again?」のように英語では過去形にすることで相手との距離を置いて表現を婉曲に表現しているが、このように敬語のない英語でも距離感をもって相手に尊重を示している。
さらに韓国語でも名前を聞く時二通りある。
ひとつは「イルミムオエヨ?」名前は何ですか?しかしこれは厳密に言うとおじいさんなどの年上の人に直接名前は何かと聞くと少し失礼で、かしこまって聞く時は「ソンハミ オットケテセヨ」これは直訳すると名前はどうなりますかということで、簡単に言えばどう書きますかと、たかだか名前を聞くのになんだか遠回しすぎるように思えるが、しかし韓国語の敬語にもこういう風に距離感をもって相手に遠慮するという姿勢が見られるが、彼らのようにでかい声で叫ぶと言うのは、ただ単に自分たちの存在をうったえているだけで、ただ上下関係だけを重視した意味のないしきたりはグローバルスタンダードから解釈してもブーッで言語道断である。