ハワイの気候はすごく穏やかで気持ちがいい。常夏なので暑いと言うイメージがあるが日本のようなじめじめとした暑苦しさはない、日陰に入れば快適である。私たちは練習の後よく行くところがあった。それはセブンイレブンである。ハワイにはセブンイレブンがたくさんあって、よくそこではお世話になったのだが、そこにドリンクの持ち帰りコーナーがあった。そしてそこにスーパージャンボカップサイズと言うドリンクのサイズがあるのだが、そのサイズはおおよそ子供の遊具ぐらいのバケツを少し大きくしたぐらいのサイズでかなり大きく、たぶん日本人だったらひくぐらいの大きさである。そのサイズを私たちはそのセルフのコーナーに行って選び、おのおのがお気に入りのドリンクを入れて購入、そしてみんなでぐびびーっと飲む、それがたまらなくおいしくて練習後の楽しみのひとつでもあった。
私の学生時代の楽しかった思い出はたくさんある。でも思い出は一人でつくるものではなくて人がいてそれは思い出になると思っているが、私の場合は本当に恵まれていたと思う。前に私は運動をしたかったができなかったといったことがある。それは日本のクラブ、いわゆるスポーツがあわなかったからであり、こんなところでやっても意味がない、あほらしいと感じていたからだ。私が経験した海外のボクシングは自由であった。意味もない礼儀や人間関係を強要されることもないし、そこには気をつかわなければいけない人間もいない、人間関係やまわりを気にすることなくただ相手と対戦して勝敗を決めるそういう平等なスポーツであるボクシングに魅せられていたことは確かなことで、本当にそこでは生き生きと競技出来たと思っている。
思い出すのはあるギャングみたいな人間がいるチームと対戦した時である。日ごろからマナーのわるい彼らに私とバーガーは露骨にいやな顔をするので、まわりがビビって刺激するなとよく言われていたが、ある時私がこいつらのひとりと戦うことになった。日ごろから私たちは嫌っていたのでこの時ばかりと気合が入る。そして案の定思い切り打ち合いに、トーナメントでもないのにここまでやるかというぐらいなぐりあって、そして結果私の判定勝ち、リングから降りて来た時は大した試合でもないのにすごく盛り上がって、おそらくまわりは何をそこまで盛り上がっているんだと思っていただろう。しかしそういった一見いがみあいのようなうちあいであったが、試合後にその相手と目が合った時相手がにっこりと笑った。たぶんそれは私に対するリスペクトのしるしだと理解しているが、現にその後彼らの私たちに対する態度はかわった。少なくとも練習場であっても我々を無視して自分たちの気に入った音楽をガンガン鳴らすということはなくなったと思う。
これは私のモットーだが、スポーツ特にボクシングは思い切りやるからレスペクトと言う言葉が生れる。だから遠慮してはいけない、思い切りトレーニングして、全力でやるからこそそこで得るものは大きいのだ。
私の競技人生はすごく楽しかった。リングでは悔しい思いもしたし、民族が違うから多少のいがみ合いもあったことは確かなことだ。そしてたぶんそこはうれしいことよりも悔しいことのほうが多かった場所であったかもしれない。でも私はその自由な場所で思い切り自由に競技出来たと思う。そう言った思い出を今この年になって思い出し振り返る。추억만이 남아시간이 흘러지만(思い出だけがたくさん残り、時間が流れるけど)それらはすごくいい思い出でそれらは私の年輪になっている。思い出はこれからつくれるから思い出だ、若い人も年配の人もたくさんここで楽しい思いをしてそれが思い出になったらいいと思う。
試合後あまりにもうちあったために私の目がはれて全体が黒目のようになりエイリアンとまわりに揶揄されたが、次の日エイリアンアタックじゃと水鉄砲で乱射してやった。