アマチュアボクシングにおいて日本の選手は世界では通用しない、それは拳闘とボクシングの違いである。
まず、USAやキューバの選手と比べてスピードとリズムが違う。私は本場で試合を何度も見ているが、ミドル級でも日本のフライ級ぐらいのスピードで動く者もいるし、リズムが早いし違うのでパンチがどこからでてくるかわからない。
しかし日本の選手のパンチはリズムをが単調でパターン化してしまっているので読まれるケースが多い。
ある学者は日本人は農耕民族なので狩猟民族が4拍子で生活しているのにたいし3拍子で生活しているといったが、このリズムを何とかしなければ勝てないように思う。
特に私は練習において前後の動きが気になる。
ボクシングの動きは前後だけではない、シャドウを見ていてもたいていの人間は前後にしか動かさず、よくあるのが鏡にむかってまっすぐな動きをくりかえす、農耕民族ゆえに昔の農作業を思わせるような動きであるが、これではリズム感をやしなうどころか動きすらも単調になる。
今から考えると私はUSAのボクシングクラブに行って練習したが、日本のように鏡ばりの中で練習したと言う記憶がない、日本のようにかがみにむかって規則性のある動きをするよりも、むしろ感をやしなう練習が主体であり、たいていのジムは一畳か二畳ぶんぐらいの鏡がフォームのチエックのためにあるだけである。
しかし日本のジムは、このかがみばりの練習場で前後の動きを繰り返しすことが多く、スパーリングやマスボクシングも単調になる。プロのように長時間が勝負の世界では農耕民族特有のねばり強さ、パンチ力が生かせるが、しかしアマチュアは3ラウンド9分(または8分)の世界、そこではスピードとリズムがものをいう世界であり、日本人選手が短距離で勝てないのと同じように、いくらがんばっても差を縮めることはできないのだ。
ボクシングというのは前後に動くだけではない、実は横(あらゆるほうこう)に動きパンチをだすことも大事であり、そのことを実践しなければ、ボクシングではなくしょせん拳闘におわってしまう。