私の好きな女優でナタリーポートマンという人物がいる。彼女はいわゆるイスラエルとアメリカの二重国籍である。彼女はイエール大学とハーバードで学び、そしてヘブライ大学でも学位を取った才女であるが、彼女はかって大学でテロリズムに対する対策と言うことで講義を行ったことがある。その彼女がインタヴューで祖国に聞かれた時にこう答えた。「私はアメリカを愛している。しかし心はエルサレムにある。そこが私の家だからだと」
二重国籍はアメリカをはじめ多くの先進国が認めている。少し前このことが日本でも問題になったが、しかしそうだからと言って日本もこの制度を認めてしまうことは危険であると思っている。日本という国は、ヨーロッパのように連合かできるようなアイデンティティというのもない、またアメリカや韓国のように忠誠心を求めるような踏み絵的存在や民族教育的なものはないので、われわれが日本人だと言うアイデンティティは希薄で、もし二重国籍などが認められて多くの外国人を受け入れるようになると、その希薄さに拍手がかかるであろう。
これは私の尊敬する恩師の話しである。この方には子供のころに移住された子供さんがいらっしゃって、こちらに住んで30年以上になるそうだが、ある時アメリカ国籍を所得するために役所に行って、その手続きをしたそうである。おそらくこの方のステータスもしっかりしているし、お子さんも30年以上住んでいるので、難なくアメリカ国籍が与えられると思っていた。しかし以外にもそのことは却下されたそうだが、理由は誓約書に書かれてあった「あなたは有事の時にアメリカのために武器を取りますか」という欄に「いいえ」と答えたからで、おそらく政府はこういう肝心な時に自分の国のために武器をとれない人間を認めることができなかったのだろう、アメリカ国民であると言うことは同時にロイヤリティが求められる。
アメリカでは国民の休日などになると国旗がかかげられるのだが、これもひとつの忠誠心の表れだ。だいぶ前テレヴィである外国人が日本人が国旗を大切にしないということをすごく不思議がっていた。運動会などで日の丸の国旗などを飾るが翌日は、それがいとも簡単にすてられているのを見て驚いたそうだが、国旗を燃やすのは罪とみなされる国も少なくはなく、アメリカなどもひょっとしたらそういう軽犯罪法にひっかかるかもしれないが、よその国がアメリカに抗議する時に国旗を燃やすのは最大の侮辱の意味をこめているのだが、国旗と言うのは日本人が考える以上に大きな意味とアイデンティティのあらわれでもある。
また韓国もこの二重国籍を認めているが、それは徴兵の義務をはたしてからで、この徴兵をおえるまでは国籍を認められることがないのだが、二重国籍を認めている国には、その国なりの踏み絵的な事柄が存在し、ロイヤリティをためされる。日本ももし二重国籍を認めるならば、民族教育の強化あるいは、言葉はわるいが正当的な踏み絵のようなものが必要とも言えるのだが、今の日本では現実的に難しいであろうが、もしこのことをぬきにして二重国籍や参政権などを認めてしまったならば、国家が半ば学級崩壊状態になってしまうのではないかと危惧している。
この国は私の父が愛した国で、私が選んだ国、そして私の子供が日本人として生まれた国だ。私は自分の子供が100パーセント日本人として生まれたことで、日本人であると言うことを実感できるようになったのだが、このことは3世代を経てようやく実現したことであり、ここは祖国ウリナラ イルボンだ。その立場からも二重国籍や外国人に参政権などと言っているが、私は反対の立場である。