うちのクラブに来ている人たちのほとんどと言うかほぼ全員が健康維持やダイエットである。中にはボクシングに興味ない人も在籍しているが、それでも堂々と権利を主張してトレーニングできるのがMOBである。わたし自身この群れを形成するうえでこころがけていることを3つのDにあてはめている。それぞれ「Drastic」「 Dogma 」「Double standerd」であるがこれらのことはクラブを運営する上で基本的な指針としている事柄である。
まず「Drastic」は思い切って何でもする。時には後ろを振り返らない決断も必要であるということだ。おそらく多くの日本人はこのことが苦手であると思う。私のことを日本人的でないと言う人がいるが、おそらく私はそういうことだと思っている。うちのクラブは暴力的な人の入会をお断りしているが、女性も多数在籍しているのだから、格闘技でおこりがちな暴力に関しては厳しく管理し、クラブを運営するにあたってこりゃあだめだと思うような人間は退会してもらうようにしている。しかしそれは個人の感情ではなくまわりにとってこの人間やグループがいたら雰囲気をこわすとかクラブであまり目立たない存在がいやな思いをしたりトレーニングがやりにくいと言うような明らかにバランスをかくような自己中心的な人間、エラそうではあるがこれもここにきておとなしくトレーニングしている人たちの権利を守るためであり、そういう人たちも含めて誰でもいかなる目的であっても楽しく平等にトレーニングしてもらうためである。格闘技は目立ちたがり屋やいかにもやんちゃですというような人間が多いので、人にうらまれようが怒りをかおうが、群れを健全に平等に運営するために正しい選択をする、時にはドラスティックであることは大事なことだ。
「Dogma」は宗教用語で教理と言うこと。簡単に言えばどういう哲学を持って運営していることかということである。そのことについては何度も説明しているので詳しく書かないがMOBでは特に共同体がどうあるべきかということを考えて、互いにいい影響を与えあうことができる共同体を目指している。
さらに「Double standerd」は多面的に物事を見るということ。2つ以上の視点を持つということ。これはある意味語学ができなければ難しいことだ。例えば子供にボクシングを競技としてさせることは正しいことかということは日本と欧米では全く立場が違う欧米ではボクシング廃止論を皮きりに子供にボクシングを競技させるなと言う論文が発表され、こういう見解ひとつにしても英語が読めなければ理解できない「double standerd」に立つということは英語が読めなくてはできないことである。私は語学音痴であると保守的になると保守的であることはスポーツ集団にとってはかなりディスアドバンテージでなのだが、問題を起こすようなクラブは保守的で封建的、家父長制的な集団だと思っている。MOBは社会人がおもに集まるコミュニティである。一部の特定の人間だけが目立つのではなく、みなさんが平等に楽しくトレーニングできるように配慮する必要がある。3つのDとはそのための政策である。