「While sports has been practiced since pre historic times, it is a relatively new subject of systematic philosophical enquiry(スポーツは先史時代以前から実践されてきたが体系的な哲学的探究の対象としては比較的新しいものである)」The Stanford Encyclopedia of Philosophy より
フィロソフィーはギリシャ語が語源で「知を愛する」と言う意味。知を愛することによって生まれる考え方はポジティブでなければならない。よってその考え方がそこにいる人たちを幸福にすると言うのが哲学の目的である。三大幸福論と言えばアラン、ラッセル、ヒルティだが、ヒルティの幸福論は、人間が不幸になる理由を分析し、頑張っていても満たされないのは、自分の内ばかりに目を向けて主観的になっているからだ、幸福になる方法は、外に目を向けて客観的に生きることであると説き、この「外に目を向ける」ということが、ラッセルの重要なメッセージである。ラッセルは客観的に生きることは「趣味」を持つことだと言う。運動でも推し活でも、なんでもいい、外部に興味を持って熱中することで主観的なとらわれから逃れ、心のバランスを保つのを助けてくれる。MOBはコミュニティである。みなさんがあれこれと自分たちの考え方を述べそこで教えあう、そのスタイルがThe MOB styleであるが、そういうコミュニティがヒルティの言うところの趣味と言えるのではないかと思う。そのクラブやジムのスタイルが出来上がっている、ジムに来ていてもただ言われたことだけをやっているだけではもはや趣味とは言えず、それは受験や会社と同じである。大事なのはいろいろな人たちの話を聞いてあれこれと自分もクリエイティブ考えて、自分がそこでかわれるかどうかだ、そういう新しい発見があるとそれ自体が楽しくなってそれが生きるためにバランスを与えてくれるだろう。5年以上の会員の割合が多く、様々なカラーを持つ人たちが集まるボクシングクラブを新しく入会する人も疎外感を感じることなく、運営することにあたって、それは非常に難しいことだという事を実感している。私の運営の基本は管理者が目立ったり、主役になるのではなく、黒子に徹することであるが、そうすることで会員主体のコミュニティが形成されると信じているからだ。そしてそういうカラーを持つ人たちが意見を出し合って互いに教えあい、上手になっていくことが理想であるが、今のところ会員のみなさんのおかげでそれが実現できていると思う。
参考文献
超訳 「ヒルティの幸福論: 世界で一番幸せになる「思考力」」斎藤孝訳 三笠書房