Mars&Jupiter

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グスタフ・ホルストのエグドン・ヒース作品47(H172)を聴きながら、二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2010-12-20 02:38:08 | グスタフ・ホルストの交響曲・管弦楽曲
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
長く続けてきたグスタフ・ホルストの特集であるが、
いよいよ今回で終わりにしたいと思います。
最後にとりあげるのは、ホルストの管弦楽曲である。
エグドン・ヒース作品47(H172)、は、1927年に作曲された。
トーマス・ハーディの小説「帰郷」の中のヒース荒野の描写に
影響を受けて作曲された作品で、ニューヨークで初演された。
イギリスでの初演は1928年2月チェルトナムで行われ、
続けてロンドンのクイーンズ・ホールで行われたが、初演は不評だったようだ。
ちなみにロンドンの公演での指揮者はチェコのターリッヒだったようだ。
聴いたCDは、サー・エドリアン・ボールト指揮、
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるもの。
曲はコントラバスで弱々しく奏される旋律に始まり、
フルートやファゴットなど管楽器なども加わり、
他の弦楽器も加わっていくが、荒涼とした感じがある。
人生の苦悩を思わせるかのようでもある曲は、
やがて、徐々に明るさを加え、ホルンやトランペットも入り、
迷走するような弦楽器の動きにオーボエが絡み、
さらにトランペットが加わっていく。
弦楽器はせかすかのような速い動きを見せもするが、
やがて静まり、ホルンが堂々とした主題を奏で、
トランペットも加わっていき、低弦は歩みのようなリズムを刻む。
その上で弦楽器や木管楽器が主題を繰り返していく。
木管楽器と弦楽器による静かな音楽がしばらく続き、
弦楽器のみによる合奏が、途中何度かフルートなど木管楽器が加わり中断する。

繰り返される弦楽器の旋律は、人生の厳しさを表現しているようでもある。
コントラバスが再び主題を奏で、弦楽器中心にその旋律が奏される中、
再び、中間部で現れた堂々とした主題が金管楽器に現れ、
他の楽器にも引き継がれ、やがて孤独感を示すトランペット・ソロが入る。
そしてそれに続きクラリネット・ソロも入り、
クライマックスを迎えることなく、最後は弦楽器のみで静かに終わる。
この曲で何かを期待してはいけない、何か劇的なものがあるわけではない。
「惑星」などにみられる派手なものを求めても何もない。
この音楽は、分かってほしいと思って作曲された音楽でなく、
人々の理解を拒絶しているような、難解な曲である。
この荒涼とした音楽は、彼の精神的な世界を投影しているのだろう。
この作品はホルストが自分自身のために書いた作品のような気がする。
ここには、彼の音楽に対する厳しい姿勢を感じたりもする。
ボールト盤は渋さのある演奏で味わい深さがあるが、
一般にはヒコックス盤が聴きやすいかもしれない。

なお、今回までとりあげたホルスト編やイギリス音楽編のCD等の情報は、
以下のアドレスの各分野のところで赤字NEWで示してあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/ongaku-kenkyu.html
参考にしていただければ幸いです。


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