Mars&Jupiter

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エドヴァルド・グリーグの6つの歌曲 作品48を聴く

2023-11-03 09:07:24 | エドヴァルド・グリーグの作品
今回は1843年ノルウェー生まれのグリーグが、
1889年に作曲した6つの歌曲 作品48から、
第1曲「挨拶」、第3曲「この世のなりゆき」、
第5曲「ばらの季節に」、第6曲「ある夢」、
第2曲「いつの日か、わが思いは」を聴いた。
聴いたCDはディートリヒ・フィッシャー=ディースカウのバリトン、
ハルトムート・ヘルのピアノ伴奏によるものである。
第1曲「挨拶」はハイネの詩によるもので、
軽やかな伴奏に乗って、彼女への思いを
春到来の喜びとともにさわやかに歌っている。
第3曲「この世のなりゆき」はウーラントの詩に基づいている。
薔薇の花は、そよ風がいたずらしても「愛してくれる」とは言わないし、
露が薔薇の花を濡らしても、自ら「濡らしてよ」とは言わない。
男女の恋も同じで「愛している」とはなかなか言ってはくれない。
そんなもんだよね、世の中というものはというような感じの内容。
軽快な伴奏とともに歌は滑稽な感じで歌っている。

第5曲「ばらの季節に」はゲーテの詩によるもの。
枯れようとしている薔薇の花を見て、
自分の人生と重ねているかのような内容の詩である。
哀しい曲調の伴奏に乗って、歌は過ぎ去った青春の日々と、
消えてしまった希望を歌っているかのようである。
第6曲「ある夢」はボーデンシュテットの詩にも基づく。
女性に愛される夢を見て、それが今現実になったという内容の詩。
ロマンティックな曲で、夢が現実になった高鳴る喜びが、
自然の情景とともに徐々に盛り上がって表現されていく。
第2曲「いつの日か、わが思いは」の歌詞はガイベルの詩。
自分の命が消えるときに、自分の見つけられなかったものが与えられ、
心の安らぎを得るだろうといった内容の詩である。
ゆったりと始まる伴奏と歌に人生の終わりを感じさせ、
諦めではなく、たどり着いた真実という感じで歌われる。

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