そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

デフレの実感、安ければいいのか

2009-12-12 | 政治と金

半月ほど前に、買うとはなしにフリースのジャケットを買った。この商品には「広告の品」と、大書きされた札が下がっていた。1980円だった。安いと思って買った。数日前に同じところを通ってみると、500円値引きとあった。同じ品物である。半月前より数は減ってはいたが、売れ残っている感じは否めなかった。

直感として損をしたと思った。しかしよく考えると、この商品はたぶん正価といべきか本来売られている価格は、3000円はするものであろう。実感としてそう思ったから買ったのである。売る方も目玉商品としていた。それが現在は1480円である。この商品の儲けはどの辺にあるのと思いたくなった。

これがデフレなのであろう。我々は、安価であればそれを受け入れるが、他方で従業員の労賃や待遇はそれを受けて、どんどん悪化していくのであろう。このような、価格競争の実態を目の当たりにすると、安くなったことへの疑問すら浮かぶ。

従業員は給与を減らされるか勤務時間を減らされるか、最悪の場合解雇されるのだろう。これでは購買力がどんどん落ちてくる。販売側は更に安売りをやらなければならなくなる。デフレスパイラルである。

他の商品は良くは知らないが、牛乳が良い例である。完全食品と言われている牛乳ではあるが、どんどん安売りされる。農家の庭先価格は一向に上がらない。農家は当然いろんな手抜きはするし、牛や環境のことなど構っていられなくなる。相当劣悪な搾乳環境で搾るようになる。生産者は商品に自信を持つことがなくなってくる。

どんな商品にも生産するために、さらには次の生産を補償されるための価格が存在する。この、真っ当な対価を切ることによって、劣悪なものが生産されても消費者は容認しなければならない。

商品は安ければいいのではない。生産者には、相当する対価を払うべきなのである。

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