そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

イギリス保守党の圧勝でEUはどこへ行く

2019-12-13 | EU

ジョンソンの率いる保守党の圧勝でイギリスのEU離脱が明確になった。独仏英が核になるはずであったが、ノーベル平和賞までいただいたEUは、大きな支えと理念失うことになる。大英帝国時代の夢が残っているのであろうか、お高くとまったイギリスは移民政策を忌諱するあまり、EU離脱という形で自らの足元を崩してしまった。
ジョンソンは選挙の争点を一点に絞り、「イギリスを偉大な国家に」とどこかで聞いたセリフでイギリスを鼓舞した。国民投票でまさかの離脱派が多数となって、その後の混乱は続き首相が3名も交代するざまである。これに辟易した国民が保守党に投票したものと思われる。しかし、離脱後のイギリスはEU最大の金融国の地位を失うなど経済問題に限らず、民族問題を抱えることになる。スコットランドは大英帝国への反発があり、アイルランドは国境問題まで抱えることになる。何よりもEUとの自由貿易協定は不透明である。
一国主義を唱えるトランプ同様に、イギリスも自国主義に走る。選挙期間中は大人しかったが、ジョンソンは奔放な発言が多く、今後の政権内の混乱ども起きることであろう。
移民の多くは、英語圏の元締めのイギリスを望む人が圧倒的に多い。
もう一つの大きな問題はEUの今後である。国境を失くし紛争を失くさせるために、通貨統合など多くの規範を調整の苦難を実行中である。畜産分野でも飼養管理に関する規範を、試行錯誤しながら行っている。統合前には乳牛の飼養基準すらまちまちで、栄養価の評価ですら天と地ほどの違いがあった。採卵鶏のケージ飼いが禁止されるようになっている。
多くの分野で同様のことが行われている。それらは幅広い視点と将来的な検討もされているが、多かれ少なかれあった各国の一国主義の枠が外されている。イギリスはトランプ同様に自国第一主義をこれからも掲げ続けることになるのであろうか。
EUはこれからはより強くドイツに依存することにはなるであろう。それでは、二度にわたって戦争を起こした国家を封じる当初の目的すら危うくなる。小国がこれからも参入することになるであろうが、イギリスを失ったことでEUは理念すら失いかけている。

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