そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

右傾化する世界、日本の安倍だけでない

2016-06-18 | EU
世界中が右傾化している。右という定義にファジーなところもあるが一般的概念基づいて考えることにする。右翼とは民族主義あるいは国粋主義(ナショナリズム)という見方もあるが、新自由主義という競争社会が世界をよくするという概念を政策に掲げる団体も少なくはない。不寛容で排他的で他者に暴力的であることも特徴である。

イギリスでEU離脱をめぐる国民投票が近づく中で、離脱反対を唱えるジョー・コックス議員が銃撃され殺された。襲撃犯はネオナチの団体に所属する極右翼の人物であった。銃撃の際、「イギリスが一番」と何度も口走っていたと目撃者証言もある。裁判所で名前をきかれ、「名は裏切り者に死を、姓はイギリスに自由を」と答えている。積極的に移民を受け入れ、EU離脱反対を唱える議員を狙った、許し難いテロ事件である。
EUは統合後、強い国家が弱い国家を補完することへの不満が、ドイツやフランスやイギリスで起きている。2度の大戦を引き起こしたことへの反省から生まれた、現在のところ経済共同体であるEUはその理念を、先駆けて作ってきた国家から矛盾を噴き出している。
ヒトラーが対戦賠償に不満を抱く国民を、「ドイツが一番」とナショナリズムで煽って戦争への道を走った。現在の動きはこうした動きに少なからず符合するものである。いくつかの国家がEU離脱をめぐる国民投票を検討しているようである。いずれの国も賛否の幅は狭い。そのため、EU各国は今回のイギリスの投票結果を注目していた。イギリスの動きから,EUは一気に瓦解する可能性すらあるのである。
ナショナリズムを全面否定するわけではないが、短絡的な視点に偏向することは間違いない。その典型がアメリカ共和党の大統領候補になった、トランプである。これまでは失言といわれ政治家はその生命を絶たれたようなことであっても、極端なナショナリズムは多くの賛同者を呼び込むのである。先行きが見通せない時代にあって、短絡的なナショナリズムは解りやすい。アメリカが一番というのが彼のフレイズである。
フィリッピン次期大統領のドゥテルテ氏も過激な発言などから、フィリッピンのトランプとも称される。ロシアのプーチンも中国の習近平も、国民に対してナショナリズムを鼓舞することを政権維持のエネルギーとしている。
こうしてみると、日本の安倍晋三もこの係累に属する。美しい日本を言い、日本は神の国、世界一と国民を鼓舞した戦前への回帰を目指すのである。国会審議の過程も通例を排して暴力的であり排他的でもある。安倍晋三は右傾化する世界の流れに沿った存在、不安材料を醸成する存在ともいえる。
これら右傾化は、排他的であり国益を第一に掲げる。イスラム国などの暴力性やテロの危険性をテコにした考えが底流にあるが、それらの国や宗教を暴力的にしたのはアメリカであることを忘れてはならない。自らが暴力的になり、紛争の火種を積極的に作らねが存在意義がなくなるからである。日本国憲法はそれらの紛争をやめるべく高い視点を持った憲法といえるが、それすら安倍は排除しようとしているのである。

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