そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

どうやらプーチンの主張に利があるよう

2015-12-01 | テロ
トルコ軍がロシアの戦闘機を撃墜した、トルコの言い分には不合理なことが多い。トルコ国境を僅か17秒侵犯したとのことであるが、この間に10回以上の警告をしたのである。信号ではなく言語の警告であるが、そんなことは不可能である。侵犯直前も含めても相当無理がある。そもそも、僅か17秒の侵犯で撃ち落とさなければならない、合理的理由は何なのか全く説明がない。
トルコにしてみれのばこの辺りは自らが支援する、反アサド勢力圏であって何があっても守りたい勢力であり地域でもある。ロシアはアサド支持のために、空爆をIS攻撃するふりして空爆を行っているところでもある。ロシアのシリア空爆は毎日500回程度であるのに対して、UEとアメリカはせいぜい10回程度である。ロシア空爆が、反アサド勢力を攻撃することもあっても不自然ではない。
シリア国内は、お金のある人たち40万人がこぞってヨーロッパ難民になり、多少の金のある150万人の人はトルコやイラクやレバノンの近隣国の難民になっている。もっともお金のない1200万の国民は国内難民になっている。そしてお金のあるアサド支持派は国内にとどまっている。
地理的にロシア難民は生じない。アサド政権が崩壊した時に要人が逃げ込む可能性はあっても、最も厄介な問題からロシアは距離を置いているのである。
ISの最も大きな財源は原油の販売である。一部はサウジアラビアを通じて販売されているが、地理的に有利なトルコが安価に地下組織にたたかれ販売しているとは、ずっと言われてきたところである。1地年程前に、100台ものランドクルーザーが隊列をなして、ISに入ってくる映像が公開されたことがある。ランクルではなくサーフであったが、これほどの車を陸揚げできる港は、サウジにしかない。あるいはトルコということである。IS包囲網を世界各国が一斉に声あげるが、裏で世界各国はないをやっているかわからない。多分利害関係がほとんどないのがロシアである。彼らがアサドを支援するのには、アラブの拠点が欲しいからである。そうした意味でも、ロシアの立ち位置はある意味唯一明快と言える。
トルコにはオスマン帝国時代の支配していた暗い歴史があり、ヨーロッパ各国には第一次世界停戦で相当おかしくした不条理な歴史があり、アメリカには第一世界大戦後の支配とイスラエル建国による敵国化政策と思える歴史を抱える。
ロシア艦船が利用するラタキアは静かできれいな街で、アルファベットが発祥したまちとも言われている。ロシアがここを手放すはずがない。ほとんど唯一のアラブの拠点であるからである。
ロシアの思惑が明確であるのに対して、欧米諸国は同床異夢の結束でシリア攻撃を行っている。仮に何らかの形で終戦を迎えても、その後の混乱は目に見えている。
今回の戦闘機爆撃は、おそらく現場の反ロシア感情が起こした不測の事態であろう。それを裏付ける多くの事実がある。エルドアンは無条件に謝罪するべきであったが、居直ってしまった。
こうした紛争は、ISを喜ばすだけである。本来であれば国連が主導しなければならないところであるが、複雑に交差する国家間の利害関係がこれを阻んでいる。トルコの居直りが象徴的である。プーチンが存在感を増すばかりである。

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