そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

タックスヘイブンは地域間格差への小国の抵抗であり

2016-05-10 | 格差社会
国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は今日(10日)、タックスヘイブンの利用実態を暴いた「パナマ文書」に関し、約21万社のペーパーカンパニー名をホームページ上で公開した。これはパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」の約40年分の内部資料である。わずか一社の資料なのであって、秘匿性が高く世界の企業家や金満家が税逃れのために、実体のない会社ペーパーパンパに―を作って利用している。
日本在住の個人と日本企業は合わせて約400ほどにのぼり、大手商社などの名前が確認されている。古いものがあったり、名前だけなので親族でも確認できないものも多数ある。これはタックスヘイブン国家のパナマの一社だけの情報漏えいである。実体はこんなものではないはずである。
代書やたちが手続きを行っているので、多分違法性のあるものは少ないである。要するに合法的な脱税なのである。ばれた楽天の社長など居直っているし、古い資料だと笑い飛ばす会社もある。誰もいいこととは思っているはずがない。しかし、これが政治家となるとそれは、査証であっても倫理として問われることになる。イギリスのキャメロン首相はその中にある。プーチンは支持者が名を連ねているらしいが、欧米の戦略といっている。習近平の一族が見つかったので、中国では報道を遮断してしまった。
経済のグローバル化は、圧倒的に巨大企業や巨大国家が有利に活動できるようになることである。私はそうは思わないが、巨大企業や国家は政治を掌握し、制度を自らが有利なように動かす。その典型がTPPである。そうして不利な立場に追い込まれる弱小国家は、企業課税をほとんどゼロに近く抑え、大企業や金満家を受け入れるのである。上のグラフはBBCの発表したものであるが、どこにあるかわからない弱小国家であることが一目瞭然でわかる。

経済主導のグローバル化によって世界はいは歪になる。現代は世界全般を見ながら、地球単位で考えなければならないことが多くなった。武力衝突もそうであるが、特に環境問題は多国間の協議が求められる時代にはなっている。しかし、それらのほとんどの問題を引き起こしているのが、経済のグローバル化である。地域間、国家間、あるいは様々な気候風土の相違から、世界では等しく経済が起きているわけではない。それをたった一つの価値、価格による評価によって、流通をしようという無関税システムの一つが、TPPである。TPPは大企業や巨大国家のタックスヘイブン制度でもある。
弱小国の生き残り作戦は、法規が国家の壁を越えない以上は合法である。彼らにこのようなばかげたシステムを導入しないようにさせるには、経済主導のグローバル化を阻止する必要がある。大企業や金満家の脱税にばかり目を囚われてはならない。


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