そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

木材の自由化を金だけで考えた愚かな日本、食料も同じ道を辿ることになる

2023-07-30 | 農業と食

私は大学を出ると、ある地方小都市の農協に就職した。乳牛と和牛の診療と人工授精と豚や鶏などの管理をしろいうのである。1960年半ばのことである。農協には6000戸の組合員がいた。17農協が合併した直後である。このころは多くが森林組合と何かと重ねることが多く、組員も8割は重なっていたと思われる。
異なるのは、森林組合の森林は数人で8割以上の林野を所有していたことである。つまり農地解放の対象にならなかった林野は、多くは大地主が所有していた。役員は彼らがたらい回して就任していた。
そして1964年(昭和39年)に木材を自由化し関税を撤廃した 。木材の自由化は、圧倒的自民党支持者の大地主の存在がある。そしてこの木材の自給化は、半世紀経って日本に多くの障害を残した。スギ花粉症の増加と世界各地の森林伐採を売んG氏。環境悪化を招いている。
更に日本の林野更には市街地などで、”楢枯れ”という現象を起こし深刻な状況でもあるという。かつての森林所有者は、楢や柏は80年程度で、つまり二世代後に伐採されることを前提に植樹していたが、今はそれもできない。老齢化した楢にはカシナガ(カシノナガキクイムシ)という虫が付き枯らしていく、楢枯れが起きているというのである。
二千年間守ってきた植林木の管理を、たった80年で放棄した結果であると関係者は述べている。楢は切り株の横から芽が出る、つまり萌芽更新される便利な木なのである。
燃料に薪や炭を使っていた木材文化、薪炭の放棄に温暖化が追い打ちをかけている。薪炭の放棄は温暖化に直接つながってもいる。
木材の自由化は、安価な外材を輸入することで、消費者は恩恵を受けていたと主張するであろうが、海外の熱帯雨林やツンドラなど寒冷地の針葉樹の伐採による弊害など考えもしない。同様に国内にあっては、今回の楢枯れや花粉症の増加や、山崩れや洪水などの被害を予測だにしていない。
TPPによって、食料の関税が現在でも世界で最も低い日本が、食料無関税にしたら何が起きるであろうか。食べ物だけの問題ではないのである。農産物の自由化はへき地の問題や洪水や熊などの予測外の問題にまで及ぶ。その時に権力者は想定外を口にする。

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