そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

戦争の元は、今だけ・金だけ・自分だけである

2022-06-16 | 農業と食

日本の農業が崩壊寸前であり、農村は疲弊の極にある。これは国が農民に農業を放棄させたからである。その根幹の思想が、「今だけ・金だけ・自分だけ」を基本思想で推進したからに他ならない。
これは東京大学農学部教授の鈴木宣弘先生の言葉です。この言葉はある講演で用いると評判が良かったので使うようになったの先生はおっしゃられていた。鈴木先生の造語である。
しかし、「今だけ金だけ自分だけは」資本主義の本質を見事に言い当て、か細くなった人々の倫理観に強く訴える見事な言葉である。
経済効率だけを優先し、短期的な成果で自分だけが潤う、こうした経済活動あるいはそれを支える政治体制は、国境をも超える。
農家は一方的に所得を増やしている2,3次産業に追いつけと号令をかける。農家は規模拡大や効率化のために投資はするし、いつの間に農薬と化学肥料大国に膨れ上がった日本は、いつの間にか伝統的な農業を放棄し、世界最小の非有機農業国になってしまっている。
消費者には国産食料安全の神話を流し、農機具と農薬化学肥料を押し付け、行き詰るとスマート農業なる言葉で、農機具メーカーを更に振興する。日本の農業政策は、農業周辺産業を潤して農民にも消費者にも行き届かず、徒に農業予算はばら撒かれる。
農家には残された選択肢は少なく、単作大型農業に手を出す。結局機会と農薬に頼る大型農業は、労働生産高は上がるものの、土地面積当たりの生産量は小農にはかなわない。結局は価格差によって輸入物が勝ることになる。
農業の成長を求めることが間違っている。農業に単年度の収支を優先させれば、機械や農薬に依存することになるが、それが国の農業政策の目的でもあった。
今だけ金だけ自分だけは、新自由主義市のものである。それは国家に対しても言えることであって、今だけ金だけ自国だけは、プーチンの戦争理由にもなったのである。だから戦争は武器で起こすものではない。だから武器を起訴って見ても、平和にはなることができないのである。



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