プーチンの主張にウクライナのゲレンスキー政権は「ネオナチ」であるというのがその理由である。はて?ネオナチはそんなに悪者か。
ネオ(新しい)ナチズムとは、ヒトラーが率いた政党の思想ナチズムを、戦後になって継承しようとする思想のことである。極右翼とも民族主義者ともいわれる。ネオナチと言ったとたんそれ以上の展開はない。ネオナチという言葉は決めつけた言葉であって、”悪”そのものというわけである。
私のように、誰もが身近である田舎では、何かあると”キョーサントー”と名指しする。私の友人で単なる野鳥が好きなだけの男がいたが、彼などは”アカ”と言われたという。いずれも、キョーサントーを卑語として用いて、いるのである。思考停止の単なるレッテルでしかない。
近頃では似た言葉に、”反日”という言葉がある。日本という国家に背いているということだと思われるが、愛国心のない私など反日そのものである。右翼や左翼も仲間内での会話では、卑称になるだろう。
プーチンが”ネオナチ”という言葉を所かまわず使っている。「ゲレンスキーはネオナチでロシア人を1万4千人殺害している」というのであるが、コメディアンで就任2年目のユダヤ系の大統領が、そんなことできるわけないと思うのであるが、ロシア人は納得しプーチンを支援する。ネオナチは魔法の言葉である。
スターリンの圧政から解放してくれたのが、ヒトラーであるとウクライナの人達はヒトラーを称える。ドイツに協力したステパーン・バンデーラを祖国の英雄と尊敬しているが、それはソ連崩壊後のことである。プーチンはネオナチと決めつけの言葉で、ウクライナ侵略の根拠にする。
ネオナチであることが40万の兵を他国の領土に進める根拠になるのか。他国の人の命を奪う理由になるのか。
プーチンの側近がウクライナの国名も国民も、存在してはならないと新聞に投稿している。ロシアの純潔がなくなるということらしいが、民族や国家が存在するのはその逆である。人々が平和で幸せに暮らしてこそ、国家や民族の意味があるというものである。
西側の報道はすべてフェイクであると言い続ける人たちもいる。ロシアは連戦連勝で、軍事施設しか攻撃していない、民間人は誰一人として殺害していないと、他国の領土に武力侵攻を侵略するロシアの正当性を称える人がいるのである。おそらくロシア国内ではもっと強力にプーチンを称賛しているのであろ。戦時中の日本の大本営発表のように。