そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

太陰暦でないと意味がない七夕の夜

2023-07-07 | 太陰暦

今日は七夕とテレビもネットもうるさいが、太陽暦では七夕の意味がほとんどない。七夕は中国の神話で牛飼い男(牽牛)と機織り女(織姫)が年に一度逢瀬をする人されている。
小学生時代、恒星が動くはずないと先生に食って掛かった記憶があるが、織姫と牽牛に該当する星は良く分かってはいないが、天の川を見て涼む習慣を庶民に与えたのである。
古人は暑い夏、処暑を過ぎた七日目、旧暦では七日月、つまり下弦の月が陽が落ちたころポッと東の中空に浮かぶ。それを船に見立てて天の川を渡り、織姫と牽牛が逢瀬を重ねるとするロマンを、夕涼みする庶民に夢見させたのである。今でいえば8時ころから10時ころまでのロマンである。今年は8月22日である。
つまり旧暦(太陰暦)でなければ、七夕は成立しない。
陰暦でなければ説明つかないことが沢山ある。正月を迎春、春を寿ぐのは梅が咲く2月頃が正月になるからである。
例えば、尾崎紅葉の金色夜叉で貫一がお宮に、「今月今夜のこの月を、再来年の今月今夜のこの月を、僕の涙で曇らせる」と言って、お宮を蹴飛ばした今月今夜は1月14日である。
ほぼ満月であるが、これは新月や三日月なら、貫一の心は伝わらない。その日は陰暦の煌々と輝く14日でなければ意味がない。
熱海市は、貫一がお宮を蹴飛ばすパワハラを像にまでして、毎年新暦の1月14日を祝っている。観光目当てであるが、新暦では意味がない。
七夕はそのように読んでみても、タナバタとは読めない。シチセキと呼ぶのが正しいが、中国は正月も七夕も旧暦で祝っている。2月に爆買いに来るのも、札幌雪まつりに(時にはウイルス伴って)来るのもそのためである。

羅臼港

春誓い羅臼港