
「あったことをなかったことにする」風潮
そしてそれを可能にする権力、そしてそれに群がる取り巻き、そしてその後の廃棄と隠ぺい工作、そしてその後の論功行賞の人事。
ジャーナリストの伊藤詩織さんが、安倍晋三最側近のジャーナリスト山口敬之から意識がないなかで強姦されたとして1100万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、東京地裁は「酩酊状態にあって意識のない原告に対し、合意のないまま本件行為に及んだ事実、意識を回復して性行為を拒絶したあとも体を押さえつけて性行為を継続しようとした事実を認めることができる」と認定し、山口330万円の支払いを命じた。
語るに落ちたとはこのことである。多分思いもかけず「やってしまった」女から訴えられた山口敬之の犯した犯罪である。選挙も近く山口敬之の安倍晋三持ち上げ本の出版も近い。ゴタゴタは困る。それで官邸は動いたのである。山口敬之に救助の手を差し伸べたのは官邸である。
事件は2015年4月3日に起きている。当然のことながら逮捕状が出され、2015年6月18日成田空港で帰国する山口敬之を複数の刑事が待ち受けていたが、突如として上層部から中止命令が出された。
この逮捕取りやめを指示したのが”菅義偉内閣官房長官の秘書官”終えて警視庁戻ったばかりの、中村格警視庁刑事部長である。中村格はその後2016年8月から組織犯罪対策部長兼生活安全局付兼刑事局付兼官房付を経て、2017年8月10日から総括審議官兼警備局付、2018年9月14日より警察庁長官官房長と絵にかいたような栄転に栄転を重ねて、国家の中枢にいる。 尚この時の刑事は担当を外されるばかりか、移動させられている。
中村はお仕事柄不利な証拠など完璧に隠している事であろう。しかし、逮捕状を取り下げさせた理由は説明しなければならない立場にある。やってはいないが。
事件は2015年8月26日に書類送検されたが、山口敬之は翌年7月22日付けで嫌疑不十分で不起訴処分になっている。逮捕寸前までいった事件が、取り下げられるには相当の理由がなければならない。山口敬之はこの年2016年6月9日に安倍晋三のヨイショ本「総理」を出版している。この時点で山口は書類送検中で、一か月後の不起訴処分を見込んでいた発刊といえる。不起訴を確認していた行為といえる。
不起訴に相当の理由があったとすれば、山口孝之の姉と”私人”の安倍昭恵が中学・高校・大学(専門学校)と同級の大親友であることである。自身の結婚式にも安倍晋三は出席している。これ等の事は事件当時から、本ブログで何度も書いている。
森友学園についても土地の売却は不法とした大阪地裁の判決も出ている。今回の民事訴訟とはいえ、賠償を認めたのはいい動きといえる。お友達でなかったり、出世を恐れない判事もいるというのは救いであろう。