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九州場所の見どころ

2011-11-11 10:42:59 | まらずもう新聞編集部のまらずもう分析

 すもうとは、スポーツ以前に神事である。

 そして、すもうは番付社会である。

 一年納めの九州場所、この一年、ここまで優勝者はすべて全勝、さらに新大関汚痔の山改め汚痔を迎え、隆盛の極みに見えるまらずもう界だが、すもうをすもうたらしめている、前記2つの柱が大きく揺らぎかねない、激動の場所となりそうだ。

 繰り返すが、すもうは神事である。まらに綱を締める横綱は、自身がすもうの神といっていい。だがしかし、その神であるはずのひとり横綱・雲虎は先場所から「大日本毛呂乃教」なる新興宗教の信者になってしまった。毛呂乃教はすもう界に急速に広まり、幕内力士にとどまらず、序二段・金精山までが帰依を表明。先場所優勝を果たしたものの、毛呂乃教に心酔したままの雲虎。場所前まらのかゆみになやまされているとのことだが、これも邪教から目覚めよとのお告げかもしれない。自らが神であるべき横綱が、異教に心奪われたままという事態はあってはならない。どの力士か、実力で目を覚ませさせることはできないものか。

 そしてもうひとつ、すもうは番付社会である。番付の差は絶対である。番付上位の横綱が、1段下の大関・毛呂乃の御神体をあがめるとなっては、番付社会の原則も崩壊しかねない。だが、番付社会の危機はこれだけではない。より大きな脅威が、番付上に迫っている。その脅威の名は、新入幕・家満光太郎(やまん・こうたろう)。入門後敗戦経験はわずかひとつ、史上1位の39連勝の記録を継続中、毎日正確無比な勃起ぶりから「勃起サイボーグ」の異名をとる、史上最強の新入幕力士である。先場所の幕内の番付と成績を確認してみよう。最高位の横綱は15戦全勝。役力士の大関・関脇は10~14勝の2ケタ勝利。平幕力士は8~5勝の1ケタ勝利。みごとに実力と番付が一致している。番付上位の者は下位の者に負けてはならない。だが、今場所新入幕であるがゆえに平幕の家満は、平幕なりの成績で収まるとはとても思えない。あるいは新入幕でいきなりの優勝もありうる。事実、その実力から将来の横綱を確実視する声も少なくない。だが、先輩力士には先輩力士の意地を見せてほしいところ。横綱・雲虎が史上初の連覇で横綱の実力を見せつけるのか、あるいは実力No1と誰もが認める大関毛呂乃が勝負に徹すれば、やはり優勝は難しいことではあるまい。だがこの両者は、宗教騒動の渦中にある者。できることならば、他の大関陣に奮起を促したいところだが、玉椿は論外。となれば、期待は残る2人、摩羅の川と汚痔に寄せられる。摩羅の川はこの2場所全勝、14勝1敗の好成績で、今場所の成績次第では横綱の声もかかる。最年少大関の勢いで今年3度目の優勝となれば、1年の半分を制したことになる。だが、記者個人として、期待力士を一人に絞れと言われれば、迷わずもう一人の大関・汚痔を挙げたい。新大関として勢いづく汚痔は、毛呂乃教渦中の雲虎とも、驚異の新入幕・家満とも因縁浅からぬ仲。毛呂乃教に毅然とした態度で抵抗を見せるまらずもう界の良心こと汚痔、そもそもすもう界での目標が雲虎に引導を渡すことであり、その雲虎が競技に宗教を持ち込んだとなれば、ますます許すわけにはいくまい。また、新入幕の家満には、自身が持っていた連勝記録の「35」を更新されており、今場所は先輩の意地をみせたいところ。汚痔自身、新入幕の場所で全勝しながらも、先輩大関・玉椿奇跡の意地の前に屈したという苦い経験がある。今度は逆に、自身が先輩大関として、番付の違いを見せつける番だ。上位力士には相撲内容も求められるが、時としては勝ちに徹するのもまた、上位力士の責任。勝ちに徹した時の強さには定評がある男だけに、今場所はぜひ、勝負師としての厳しさをみせてほしい。

 最強の新入幕力士を迎え、風雲急を告げる九州場所。上位力士が格の違いを見せつけ、壁となるのか。あるいは家満がその壁を突破して現在の番付を破壊、自らの力で新たな番付を組み替えるのか。毛呂乃教問題の行方に、番付社会の危機。緊張の走る一年納めの場所が、いよいよはじまる。

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