京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

解き物から見えてくること

2011-08-11 16:10:13 | ひとりごと
昨日今日、立秋を過ぎたというのに、すごい暑さですね

この暑さの日中、そして雷様がゴロゴロ・・・
お客様がお越しくださる気がしない・・悲しいけれど。



そうだ、こんなときじゃないとできない・・といいこと思いついた。
お客様から「よかったらお細工物に使って」と
時々古いお着物をいただくのですが、お細工物に使わせていただく前に
解かなくてはならず、なかなかその時間がとれなくて、そのままになり気になっていました。


よし、いまだと、まず絞りの道行を解きました。






こうして、着物を解いている間、いろんなことを頭の中で考えます

解き物をしていると、なんだかその着物に関して想像ができるのです。
ちょっとオーバーですが、その着物の歴史や持ち主のこと。


今日、解いた道行は、羽織だったものを道行になおされたのが判ります。
「絞りの羽織はもう着ないから・・・」という声が聞こえてくるようです。

裏は、化繊の羽裏でした。
最近は、絹の羽裏が当たり前ですが、少し前の物には化繊や交織(絹と化繊の混ざったもの)を
付けた物もよくあります。
着物がもっと日常的着られていた時代なら、庶民?は胴裏や羽裏など、少しでも安く仕上ようと
考えるのも当たり前です。
仕立て直す時、胴裏や違う羽裏を足していたりするのもよく見かけます。
着物をもっと着ていたんだろうな・・とその時代を羨ましくも思います。


そして、着物は解くと一反に戻ることは着物が好きな皆さんはご存じだと思いますが
道行の四角い衿の部分、ほぼ直角に仕上がっていますね。
あの直角の部分さえ、ハサミを入れず縫っていて、解くとまっすぐ切れ目のない布になるのです

今日、その部分を解きながら、あらためて和栽ってすごいな~と思いました。
切り刻んでないので、着物はまた、何かに変身することができるのです。


たまに古い紬や木綿のお着物の中に
裏から、表地とよく似た当て布をして、細かい針目で丁寧に繕って
補強をしてあるものなどがあります。
きっと、何回も洗い張りをし、くりまわし、いよいよ薄破れしたところを
手当して、それでも着ていたという事です。
「繕う」という言葉がとてもステキに感じます



そのほかにも、解いて中身を見ると、仕立てた人が想像できることがあります

この仕立てやさんは丁寧だな~  とか
これは、プロでなくたぶん近所の仕立て上手のおばちゃんに頼んだんじゃないかな  とか
中には、あ~あ~、これ縫った人、めんどくさがり屋さん・・とか


あまり、皆さんは着物を解かれることはないでしょうが、いろんな発見もあって
楽しいですよ、機会があればやってみてください。

、また着物にする場合は、くれぐれも生地を切ったりしないように・・・







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