呉服屋にとって雨の日は、湿気も多く、また足元も悪いので
お客様の出入りはどうしても少なくなり
あまりうれしい日ではないかもしれません。
でも、こんな雨の日は外の緑がとても美しく感じます。
店の外に置きっぱなしになっている観葉植物があるのですが、
先日ふと見ると、何か雑草のようなものが鉢に寄生しているのに気がつきました。
よくみると、露草。
引き抜こうと思ったのですが、露草とわかって
主人も私も引き抜けなくなってしまいました
露草は私の大好きな花ということもありますが
露草の花の汁は「青花」といって友禅の下絵を書くのに使われます。
そんな花をどうして呉服屋が引き抜くことができるでしょう・・・
先日、息子のユニフォームの草の汁が洗濯しても落ちなくて困ると
言ったばかりですが、この「青花」で下絵を描いた後、水で洗うと色が流れてしまうのです。
昔の人はよくそんなことに気がついたもの・・と感心してしまいます。
そういえば・・・
主人公の着物が話題になっていて、お客様からもよく聞いていましたので
時々チラッと見ていましたが、ドラマ「おせん」の最終回を見ました。
台詞そのままは覚えていないのですが
「おせん」ちゃんが、
『今、自分の知っていることや、していることを、次の世代に伝えていくことが大切』
というようなことを言ってました。
食の世界でも、環境でも、マナーでも、すべてにおいてそうでしょうが、
私も、せめて私の知ってる着物のことを、次の世代に伝え、つないでいかなければ・・
と思います・・・。
我が家の子供達にすら、私は「青花」のこといまだ話したことなかった・・・