スティーヴ・エリクソン 柴田元幸訳(福武文庫)
《あらすじ》
バニング・ジェーンライト。アドルフ・ヒトラー
のために、ポルノグラフィーを書く男。「ふたつの」
世界を旅する男。彼の口から、果てしない迷路
のような物語、呪われた愛をめぐる”もうひとつ
の二十世紀”の物語が、いま語りだされる・・・。
数多の絶賛を浴びながら、現代アメリカ文学界
に彗星のごとく登場したスティーヴ・エリクソン
の傑作長篇。
《この一文》
” 復讐の世紀における復讐の神。この世紀が結局のところは救済の世紀だった、なんてとうていあり得るとは思えない。まさか。冗談じゃない。これだけ悪業を積み重ねてきた私が、どこかで、何か小さな、目につかない優しい行為、すべての罪を贖い帳消しにするささやかな善行を行なったのだ、なんてとても考えられない。そんな馬鹿な話があるものか。だがそれでも、時間と空間があらゆる基準点からみずからを解放した世紀にあって、もしかしたら、たったひとつのささいな善良な行ないが宇宙それ自体を所有しているのかもしれない。怪物のごとく醜悪な、千もの悪の世界たちが、その行ないの愛の前に、服従を余儀なくされているのかもしれない。私にはもう分からない。 ”
ガルシア=マルケス、ホセ・ドノソ等のラテン・アメリカ文学の魔術的レアリズムの衣鉢を継ぐ作風で知られる作家と言われて、読まないわけにはいきません。
実際読んでみると、面白かったです。
最初の方は正直退屈で辛かったのですが、途中から異常な盛り上がりでした。
いくつかの話が平行して進んでいくのがこの人の特徴かもしれません。
『彷徨う日々』という小説も最近読みましたが、これまた面白かったです。
私としては珍しく気に入っているアメリカの作家です。
《あらすじ》
バニング・ジェーンライト。アドルフ・ヒトラー
のために、ポルノグラフィーを書く男。「ふたつの」
世界を旅する男。彼の口から、果てしない迷路
のような物語、呪われた愛をめぐる”もうひとつ
の二十世紀”の物語が、いま語りだされる・・・。
数多の絶賛を浴びながら、現代アメリカ文学界
に彗星のごとく登場したスティーヴ・エリクソン
の傑作長篇。
《この一文》
” 復讐の世紀における復讐の神。この世紀が結局のところは救済の世紀だった、なんてとうていあり得るとは思えない。まさか。冗談じゃない。これだけ悪業を積み重ねてきた私が、どこかで、何か小さな、目につかない優しい行為、すべての罪を贖い帳消しにするささやかな善行を行なったのだ、なんてとても考えられない。そんな馬鹿な話があるものか。だがそれでも、時間と空間があらゆる基準点からみずからを解放した世紀にあって、もしかしたら、たったひとつのささいな善良な行ないが宇宙それ自体を所有しているのかもしれない。怪物のごとく醜悪な、千もの悪の世界たちが、その行ないの愛の前に、服従を余儀なくされているのかもしれない。私にはもう分からない。 ”
ガルシア=マルケス、ホセ・ドノソ等のラテン・アメリカ文学の魔術的レアリズムの衣鉢を継ぐ作風で知られる作家と言われて、読まないわけにはいきません。
実際読んでみると、面白かったです。
最初の方は正直退屈で辛かったのですが、途中から異常な盛り上がりでした。
いくつかの話が平行して進んでいくのがこの人の特徴かもしれません。
『彷徨う日々』という小説も最近読みましたが、これまた面白かったです。
私としては珍しく気に入っているアメリカの作家です。
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